◇ 税率10%も響いてくる = 消費増税の景気に対する影響は13年度中はプラスに働くが、14年度になるとマイナス要因になることは明らかだ。結果として景気は減速するが、その程度はまだ正確な予測が難しい。そのうえ15年10月には、消費税の10%への再引き上げが予定されている。その景気への影響も計りにくい。
消費税8%に対する駆け込み需要の反動は、14年度中に少しずつ収束して行く。そこへこんどは税率10%の影響が現れてくる。安倍首相が税率10%への引き上げを決断するのは、おそらく15年4月ごろ。とすれば判断材料になるのは14年7-12月期の経済動向。ちょうど8%と10%の影響が交錯する時期になりそうだ。
要するに最大の関心事は、14年度の成長率がどこまで低下するかという点。政府も懸命に対策を講じようとしているが、やはり重要なのは規制緩和による経済の構造改革だ。民間企業が先行きに明るさを見つけて、設備投資や雇用の増大に努力する環境を作れるかどうかが勝負である。
家計も負担増は免れない。内閣府の試算によると、14年度の家計負担は増税分が6兆3000億円。その他の年金や社会保険料の増減を合算すると、13年度比で3兆円の負担増になるという。また大和総研は、年収500万円のサラリーマン標準世帯で14年の負担増は7万5000円と試算している。
≪31日の日経平均 = 下げ -174.41円≫
≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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消費税8%に対する駆け込み需要の反動は、14年度中に少しずつ収束して行く。そこへこんどは税率10%の影響が現れてくる。安倍首相が税率10%への引き上げを決断するのは、おそらく15年4月ごろ。とすれば判断材料になるのは14年7-12月期の経済動向。ちょうど8%と10%の影響が交錯する時期になりそうだ。
要するに最大の関心事は、14年度の成長率がどこまで低下するかという点。政府も懸命に対策を講じようとしているが、やはり重要なのは規制緩和による経済の構造改革だ。民間企業が先行きに明るさを見つけて、設備投資や雇用の増大に努力する環境を作れるかどうかが勝負である。
家計も負担増は免れない。内閣府の試算によると、14年度の家計負担は増税分が6兆3000億円。その他の年金や社会保険料の増減を合算すると、13年度比で3兆円の負担増になるという。また大和総研は、年収500万円のサラリーマン標準世帯で14年の負担増は7万5000円と試算している。
≪31日の日経平均 = 下げ -174.41円≫
≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 最大500万円まで無税に = 来年1月から、少額投資に対する優遇措置が始まる。その制度の名前はNISA(ニーサ)。年間100万円までの投資なら、売買益や配当に税金がかからない。だが仕組みは少し複雑。このNISAを徹底的に研究して、美味しい果実をもぎ取ろう。
理解しやすいように、まず14年のことだけを考えてみよう。この年に上場株式や投資信託を買った場合、元本が100万円以下なら売買益や配当、分配金などに税金がかからない。この特典は18年まで5年間継続される。つまり14年に100万円で購入した株式は、18年まで無税ということになる。
この14年の仕組みは15-18年の間、毎年同じように適用される。だから14年から18年まで毎年100万円ずつを投資した人は、途中で売らなければ18年には元本の合計が500万円までなら無税扱いになる。さらに19年から23年までの5年間、全く同じ仕組みが再現される。
14年に投資した分は18年で無税扱いの期限が切れてしまう。だが、これも元本が100万円以下なら、19年からの無税ワクに移行させることができる。こうして仮に14年から毎年100万円ずつを投資して行くと、5年目以降はこの制度が終了する27年まで500万円の投資が無税になる。
(続きは来週サタデー)
≪1日の日経平均 = 下げ -126.37円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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理解しやすいように、まず14年のことだけを考えてみよう。この年に上場株式や投資信託を買った場合、元本が100万円以下なら売買益や配当、分配金などに税金がかからない。この特典は18年まで5年間継続される。つまり14年に100万円で購入した株式は、18年まで無税ということになる。
この14年の仕組みは15-18年の間、毎年同じように適用される。だから14年から18年まで毎年100万円ずつを投資した人は、途中で売らなければ18年には元本の合計が500万円までなら無税扱いになる。さらに19年から23年までの5年間、全く同じ仕組みが再現される。
14年に投資した分は18年で無税扱いの期限が切れてしまう。だが、これも元本が100万円以下なら、19年からの無税ワクに移行させることができる。こうして仮に14年から毎年100万円ずつを投資して行くと、5年目以降はこの制度が終了する27年まで500万円の投資が無税になる。
(続きは来週サタデー)
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【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
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第15章 消費税って、なんだろう? ⑤
◇ 北欧の税率は25% = いま国連に加盟している国は192か国。さて、このうち消費税を取り入れている国は何か国あるでしょうか。答えは145か国。それぞれ「小売り税」とか「付加価値税」とか名前はいろいろですが、世界ではこんなに多くの国々がいわゆる消費税を導入しているのです。税率が最も高いのはデンマーク、スウェーデン、ノルウェーの北ヨーロッパ3か国。税率は25%ですから、日本の5倍になります。
みなさんは100円のノートを買うと、5円の消費税を払いますね。これら3国の人たちは、100円のノートを買うと消費税を25円も払わなければなりません。でも北ヨーロッパ3国の人たちは「税金が高い」と、あまり文句は言わないのです。なぜかというと、これらの国では病気になったときの治療費や年金、あるいは失業したときの生活費補助など、国による福祉がとても充実しているからです。
たとえばスウェーデンでは、大学を含めて教育費はほとんど無料。ノルウェーでは育児休暇が54週間、しかも給料の80%を支給。デンマークでは失業しても、給料の80%分が4年間にわたって保証されるといったぐあいです。手厚い福祉には、おカネがかかりますね。だから消費税が高くても仕方がない。これが北ヨーロッパ3国の人たちの基本的な考え方なのです。
このような考え方を「高福祉・高負担」と呼んでいます。つまり国民は高い税金を負担しますが、その代わりに国は福祉の面で予算をたくさん使って国民の面倒をよくみるというわけです。ほかのヨーロッパ諸国も消費税の税率は20%前後ですから、ヨーロッパの国々は全体として「高福祉・高負担」型だと言えるでしょう。
(続きは来週日曜日)
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◇ 北欧の税率は25% = いま国連に加盟している国は192か国。さて、このうち消費税を取り入れている国は何か国あるでしょうか。答えは145か国。それぞれ「小売り税」とか「付加価値税」とか名前はいろいろですが、世界ではこんなに多くの国々がいわゆる消費税を導入しているのです。税率が最も高いのはデンマーク、スウェーデン、ノルウェーの北ヨーロッパ3か国。税率は25%ですから、日本の5倍になります。
みなさんは100円のノートを買うと、5円の消費税を払いますね。これら3国の人たちは、100円のノートを買うと消費税を25円も払わなければなりません。でも北ヨーロッパ3国の人たちは「税金が高い」と、あまり文句は言わないのです。なぜかというと、これらの国では病気になったときの治療費や年金、あるいは失業したときの生活費補助など、国による福祉がとても充実しているからです。
たとえばスウェーデンでは、大学を含めて教育費はほとんど無料。ノルウェーでは育児休暇が54週間、しかも給料の80%を支給。デンマークでは失業しても、給料の80%分が4年間にわたって保証されるといったぐあいです。手厚い福祉には、おカネがかかりますね。だから消費税が高くても仕方がない。これが北ヨーロッパ3国の人たちの基本的な考え方なのです。
このような考え方を「高福祉・高負担」と呼んでいます。つまり国民は高い税金を負担しますが、その代わりに国は福祉の面で予算をたくさん使って国民の面倒をよくみるというわけです。ほかのヨーロッパ諸国も消費税の税率は20%前後ですから、ヨーロッパの国々は全体として「高福祉・高負担」型だと言えるでしょう。
(続きは来週日曜日)
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◇ 東京市場はやや弱気に = ダウ平均株価は先週29日、終値で1万5680ドルを付け、1か月半ぶりに史上最高値を更新した。ナスダック総合指数も00年9月以来の高値で引けている。その後は、さすがに利益確定売りが出て小反落した。ダウ平均は先週45ドルの値上がり。
金融緩和の縮小は遠のいたが、アメリカ経済の先行きには不安感も生じている。たとえば9月の小売り売上高が6か月ぶりに減少したことから、クリスマス商戦はやや低調になるという見方が広がった。またトムソン・ロイター社の集計によると、主要500社の7-9月期の純利益は前年比4.1%の増加。前期の4.9%増を下回っている。
一方、日本企業の業績は絶好調。7-9月期の決算発表はピークを過ぎたところだが、中間集計では東証1部上場企業の経常増益率は50%を超えている。にもかかわらず株価は足踏み状態。日経平均は10月中128円の下落、先週は113円の値上がりにとどまった。消費増税の影響を心配し始めたのかもしれない。
今週は7日に、9月の景気動向指数。アメリカでは5日に、ISM非製造業景況指数。7日に、7-9月期のGDP速報。8日に、10月の雇用統計とミシガン大学の11月・消費者信頼感指数が発表になる。これらの内容が不満足だと、アメリカの景気見通しは悪化する可能性がある。また中国は8日に、10月の貿易統計。9日に、10月の鉱工業生産、消費者物価、小売り売上高、固定資産投資を発表する予定。
≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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金融緩和の縮小は遠のいたが、アメリカ経済の先行きには不安感も生じている。たとえば9月の小売り売上高が6か月ぶりに減少したことから、クリスマス商戦はやや低調になるという見方が広がった。またトムソン・ロイター社の集計によると、主要500社の7-9月期の純利益は前年比4.1%の増加。前期の4.9%増を下回っている。
一方、日本企業の業績は絶好調。7-9月期の決算発表はピークを過ぎたところだが、中間集計では東証1部上場企業の経常増益率は50%を超えている。にもかかわらず株価は足踏み状態。日経平均は10月中128円の下落、先週は113円の値上がりにとどまった。消費増税の影響を心配し始めたのかもしれない。
今週は7日に、9月の景気動向指数。アメリカでは5日に、ISM非製造業景況指数。7日に、7-9月期のGDP速報。8日に、10月の雇用統計とミシガン大学の11月・消費者信頼感指数が発表になる。これらの内容が不満足だと、アメリカの景気見通しは悪化する可能性がある。また中国は8日に、10月の貿易統計。9日に、10月の鉱工業生産、消費者物価、小売り売上高、固定資産投資を発表する予定。
≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 住宅は10月から反動減へ? = 国土交通省の集計によると、9月の新設住宅着工戸数は8万8500戸。前年同月比で19.4%の高い伸びとなった。持ち家、貸家、分譲住宅がいずれも増加している。これで住宅着工戸数は13か月連続の増加となった。特に近畿圏のマンションは、前年比2倍を超す大幅増加となっている。
不動産経済研究所の発表によると、9月の首都圏での新築マンション販売戸数は6000戸で、前年比77%増加した。近畿圏でも、販売戸数は85%増加している。このように9月の住宅市場は、バブル期を思わせる活況ぶりだ。その理由はいくつかある。
まず景気が回復基調にあること。また住宅価格とローン金利に先高感が強いこと。さらに消費増税の住宅に対する特例が大きく影響した。これは9月までに工事契約を済ませた住宅については、入居が来年4月以降になっても消費税は現行の5%が適用されるという臨時措置である。このため9月までに、かなりの“駆け込み”が発生したとみられている。
消費税は前回09年4月に、3%から5%に引き上げられた。このとき住宅着工戸数は、08年の164万戸から09年には139万戸へと急減している。またマンション販売戸数も15%減少した。今回は当時よりも経済環境が明るく、オリンピックに対する期待もあるので、駆け込み反動による減少の度合いは小さいかもしれない。しかし10月から来年にかけて、住宅市場が縮小に向かうことは避けられないだろう。
(続きは明日)
≪5日の日経平均 = 上げ +23.80円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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不動産経済研究所の発表によると、9月の首都圏での新築マンション販売戸数は6000戸で、前年比77%増加した。近畿圏でも、販売戸数は85%増加している。このように9月の住宅市場は、バブル期を思わせる活況ぶりだ。その理由はいくつかある。
まず景気が回復基調にあること。また住宅価格とローン金利に先高感が強いこと。さらに消費増税の住宅に対する特例が大きく影響した。これは9月までに工事契約を済ませた住宅については、入居が来年4月以降になっても消費税は現行の5%が適用されるという臨時措置である。このため9月までに、かなりの“駆け込み”が発生したとみられている。
消費税は前回09年4月に、3%から5%に引き上げられた。このとき住宅着工戸数は、08年の164万戸から09年には139万戸へと急減している。またマンション販売戸数も15%減少した。今回は当時よりも経済環境が明るく、オリンピックに対する期待もあるので、駆け込み反動による減少の度合いは小さいかもしれない。しかし10月から来年にかけて、住宅市場が縮小に向かうことは避けられないだろう。
(続きは明日)
≪5日の日経平均 = 上げ +23.80円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 自動車はこれから“駆け込み” = 自動車業界団体の集計によると、10月の新車販売台数は42万1700台で前年を17.3%上回った。特に軽自動車は15万7000台を売り、10月としては過去最大を記録した。業界では、ことしの新車販売台数は320万台に達すると予想している。
エコカー補助金が12年9月に終了したため、自動車の販売台数はずっと前年を下回っていた。それが9月から目に見えて上向いている。補助金終了の影響が消えるとともに、来年4月の消費増税をにらんだ“駆け込み”需要が現れたためだと考えられる。住宅の場合は9月で“駆け込み”のピークは過ぎたが、代わって自動車の“駆け込み”が9月から始まったことになる。
消費税が前回3%から5%に引き上げられたとき、96年度から97年度にかけて新車販売台数は14%も減少した。当時が金融不安の渦中にあったのに比べ、現在は震災復興需要もあって景気は上向き。それでも政府は前回の二の舞を恐れて、エコカー取得税の減税を拡充する方針。だが見返りに軽自動車に対する保有税を引き上げる案も有力で、軽自動車は逆に増税になりかねない。
このほか来年になれば、電気製品や食料、燃料や紙製品など広範な分野で“駆け込み”購入が始まるだろう。この先取り需要と4月以降の反動減との差がどの程度になるかは、きわめて予測しがたい。この差を大きくみる専門家は、来年1-3月期の成長率5%が4-6月にはマイナス5%に下落すると予想。差が小さいとみる専門家は、4%⇒2%程度の減速と考える。慎重な専門家は、まだ予測を出さない。
≪6日の日経平均 = 上げ +111.94円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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エコカー補助金が12年9月に終了したため、自動車の販売台数はずっと前年を下回っていた。それが9月から目に見えて上向いている。補助金終了の影響が消えるとともに、来年4月の消費増税をにらんだ“駆け込み”需要が現れたためだと考えられる。住宅の場合は9月で“駆け込み”のピークは過ぎたが、代わって自動車の“駆け込み”が9月から始まったことになる。
消費税が前回3%から5%に引き上げられたとき、96年度から97年度にかけて新車販売台数は14%も減少した。当時が金融不安の渦中にあったのに比べ、現在は震災復興需要もあって景気は上向き。それでも政府は前回の二の舞を恐れて、エコカー取得税の減税を拡充する方針。だが見返りに軽自動車に対する保有税を引き上げる案も有力で、軽自動車は逆に増税になりかねない。
このほか来年になれば、電気製品や食料、燃料や紙製品など広範な分野で“駆け込み”購入が始まるだろう。この先取り需要と4月以降の反動減との差がどの程度になるかは、きわめて予測しがたい。この差を大きくみる専門家は、来年1-3月期の成長率5%が4-6月にはマイナス5%に下落すると予想。差が小さいとみる専門家は、4%⇒2%程度の減速と考える。慎重な専門家は、まだ予測を出さない。
≪6日の日経平均 = 上げ +111.94円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 昨年を5.5P上回る = 来年春に卒業する大学生の就職内定率が、かなり高くなってきた。リクルートキャリア社の調査によると、10月1日時点での内定率は81.7%で、8割の学生が内定を獲得している。昨年の同じ時点と比べると5.5ポイントも高い。景気の回復を反映したもので、企業が内定を出すタイミングも昨年より2か月ほど早いという。
文理別にみると、文科系が80.3%で前年比6.8ポイント増。理工系が85.1%で3.2ポイント増となっている。また男女別では、男性が82.9%で5.6ポイント増。女性が80.2%で5.4ポイント増だった。ここ数年は女性の内定率が男性を上回る傾向にあったが、ことしはその傾向がみられない。
地域別にみると、関東、中部、近畿、その他の地域で、いずれも80-83%の内定率。地域差はそれほど大きくない。また内定者は1人平均で1.84社から内定の通知を受け取っている。内定は1社だけという人は、全体の54%だった。したがって内定を追加する企業も多いわけで、今後も内定率は順調に増加するだろう。
このように就職氷河期は完全に解消した。ところが一方で、気になる調査結果もある。厚生労働省が10年3月の卒業生を調べたところ、就職して3年以内に会社を辞めた人の割合は31%にのぼった。特に宿泊・飲食サービス、教育・学習支援、医療・福祉の分野で多い。志望企業に対する研究が足りなかったのだろうか。辞めた理由も調査、分析してほしいものだ。
≪7日の日経平均 = 下げ -108.87円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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文理別にみると、文科系が80.3%で前年比6.8ポイント増。理工系が85.1%で3.2ポイント増となっている。また男女別では、男性が82.9%で5.6ポイント増。女性が80.2%で5.4ポイント増だった。ここ数年は女性の内定率が男性を上回る傾向にあったが、ことしはその傾向がみられない。
地域別にみると、関東、中部、近畿、その他の地域で、いずれも80-83%の内定率。地域差はそれほど大きくない。また内定者は1人平均で1.84社から内定の通知を受け取っている。内定は1社だけという人は、全体の54%だった。したがって内定を追加する企業も多いわけで、今後も内定率は順調に増加するだろう。
このように就職氷河期は完全に解消した。ところが一方で、気になる調査結果もある。厚生労働省が10年3月の卒業生を調べたところ、就職して3年以内に会社を辞めた人の割合は31%にのぼった。特に宿泊・飲食サービス、教育・学習支援、医療・福祉の分野で多い。志望企業に対する研究が足りなかったのだろうか。辞めた理由も調査、分析してほしいものだ。
≪7日の日経平均 = 下げ -108.87円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 金融機関を選ぶポイント = NISA(少額投資非課税制度)は、日本に居住する20歳以上の人なら誰でも利用できる。外国人でも構わないわけだ。ただ利用しようとする人は、証券会社や銀行などの金融機関に専用口座を開設しなければならない。
この専用口座の開設は、すでに10月1日から始まった。最近の新聞やテレビには各金融機関による大きな広告が出ているので、知っている人も多いだろう。国税庁の発表によると、初日の10月1日だけで358万件の開設申し込みがあったという。すべり出しは過熱気味だが、そう焦る必要は全くない。
専用口座は1人1件しか開設できない。このことを知らずに、金融機関の勧誘に応じて1人で何件もの口座を開設した人もいるらしい。重複した口座は、税務署が消去してしまうことになっている。要するに専用口座を作るには、金融機関を1つだけ選ばなければならないことになる。
では、金融機関をどうやって選んだらいいか。そのポイントは2つ。1つは取り扱う金融商品、もう1つは手数料の有無。その具体的な例はのちほど紹介するが、金融機関によってはまだ内容が不明なところも少なくない。この2つのポイントを知らずに金融機関を決めると、損をするかもしれない。専用口座の開設は今後いつでも出来る。慌てることはない。
(続きは来週サタデー)
≪8日の日経平均 = 下げ -141.64円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】
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この専用口座の開設は、すでに10月1日から始まった。最近の新聞やテレビには各金融機関による大きな広告が出ているので、知っている人も多いだろう。国税庁の発表によると、初日の10月1日だけで358万件の開設申し込みがあったという。すべり出しは過熱気味だが、そう焦る必要は全くない。
専用口座は1人1件しか開設できない。このことを知らずに、金融機関の勧誘に応じて1人で何件もの口座を開設した人もいるらしい。重複した口座は、税務署が消去してしまうことになっている。要するに専用口座を作るには、金融機関を1つだけ選ばなければならないことになる。
では、金融機関をどうやって選んだらいいか。そのポイントは2つ。1つは取り扱う金融商品、もう1つは手数料の有無。その具体的な例はのちほど紹介するが、金融機関によってはまだ内容が不明なところも少なくない。この2つのポイントを知らずに金融機関を決めると、損をするかもしれない。専用口座の開設は今後いつでも出来る。慌てることはない。
(続きは来週サタデー)
≪8日の日経平均 = 下げ -141.64円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】
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第15章 消費税って、なんだろう? ⑥
◇ いちばん低い日本の税率 = 前回はヨーロッパ諸国に多い「高福祉・高負担」型の消費税について説明しました。税率は北ヨーロッパ3国が25%、その他の諸国も20%前後と高いのが特徴でしたね。このヨーロッパ諸国に比べると、アジア諸国の税率は一般的に低くなっています。それでも中国は17%、インドは12.5%、お隣りの韓国は10%の消費税です。
日本や台湾やマレーシアの税率は5%で、世界のなかでもいちばん低い水準です。こんど8%に引き上げられても、まだ低い方ですね。日本をはじめアジア諸国では、ヨーロッパに比べると「高福祉・高負担」の考え方がそれほど強くないと言ってもいいでしょう。むしろ財政の赤字を少なくする目的で、消費税が導入されたように考えられます。
アメリカやカナダでは、また違った形で消費税が実施されています。カナダの税率は日本と同じ5%で低いのですが、各州がそれぞれに税率の違う消費税を上乗せしています。たとえばオンタリオ州では8%の地方消費税が上乗せされるので、ここの消費税は13%ということになりますね。
アメリカでは、国の消費税がありません。ところが地方の州や郡や市が、それぞれに消費税を設けています。たとえばニューヨーク市の税率は8.375%となっています。アメリカやカナダでは「高福祉・高負担」という考え方が弱いうえに、地方自治体の権限が強いためにこんな形になっているのでしょう。
(続きは来週日曜日)
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◇ いちばん低い日本の税率 = 前回はヨーロッパ諸国に多い「高福祉・高負担」型の消費税について説明しました。税率は北ヨーロッパ3国が25%、その他の諸国も20%前後と高いのが特徴でしたね。このヨーロッパ諸国に比べると、アジア諸国の税率は一般的に低くなっています。それでも中国は17%、インドは12.5%、お隣りの韓国は10%の消費税です。
日本や台湾やマレーシアの税率は5%で、世界のなかでもいちばん低い水準です。こんど8%に引き上げられても、まだ低い方ですね。日本をはじめアジア諸国では、ヨーロッパに比べると「高福祉・高負担」の考え方がそれほど強くないと言ってもいいでしょう。むしろ財政の赤字を少なくする目的で、消費税が導入されたように考えられます。
アメリカやカナダでは、また違った形で消費税が実施されています。カナダの税率は日本と同じ5%で低いのですが、各州がそれぞれに税率の違う消費税を上乗せしています。たとえばオンタリオ州では8%の地方消費税が上乗せされるので、ここの消費税は13%ということになりますね。
アメリカでは、国の消費税がありません。ところが地方の州や郡や市が、それぞれに消費税を設けています。たとえばニューヨーク市の税率は8.375%となっています。アメリカやカナダでは「高福祉・高負担」という考え方が弱いうえに、地方自治体の権限が強いためにこんな形になっているのでしょう。
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◇ NYは強気、東京は弱気 = ダウ平均は先週146ドルの値上がり。終り値は1万5762ドルで、史上最高値を更新した。一方、日経平均は先週115円の値下がり。2週間前の水準に戻ってしまった。企業の決算内容は、アメリカに比べて日本の方が格段にいい。円相場もほとんど上昇していない。にもかかわらず、といった状況である。
アメリカでは先週、7-9月期のGDP速報と10月の雇用統計が発表された。ニューヨーク市場もこれらの発表直前には警戒感から売られたが、発表後は大きく上げている。成長率は2.8%、非農業雇用者数は20万人以上の増加と、いずれも事前の予想を上回ったためである。
ところが東京市場は、警戒感で下げたまま終わってしまった。基調的にも、地合いは弱い。今週はニューヨークの上昇に刺激されて、弱気が消滅するのかどうか。日経新聞の調査によると、来年3月期の上場企業の経常利益は前期比28%の増加になるという。利益の額もリーマン・ショック前の90%を回復するというのだから、株価はもっと元気になっていい。
今週は11日に、9月の国際収支と10月の景気ウォッチャー調査。12日に、9月の第3次産業活動指数と10月の消費者態度指数。13日に、9月の機械受注と10月の企業物価。14日には、7-9月期のGDP速報が発表される。アメリカでは14日に、9月の貿易統計。15日に、10月の工業生産が発表になる。またEUが14日に、7-9月期のGDP速報を発表する。
≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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アメリカでは先週、7-9月期のGDP速報と10月の雇用統計が発表された。ニューヨーク市場もこれらの発表直前には警戒感から売られたが、発表後は大きく上げている。成長率は2.8%、非農業雇用者数は20万人以上の増加と、いずれも事前の予想を上回ったためである。
ところが東京市場は、警戒感で下げたまま終わってしまった。基調的にも、地合いは弱い。今週はニューヨークの上昇に刺激されて、弱気が消滅するのかどうか。日経新聞の調査によると、来年3月期の上場企業の経常利益は前期比28%の増加になるという。利益の額もリーマン・ショック前の90%を回復するというのだから、株価はもっと元気になっていい。
今週は11日に、9月の国際収支と10月の景気ウォッチャー調査。12日に、9月の第3次産業活動指数と10月の消費者態度指数。13日に、9月の機械受注と10月の企業物価。14日には、7-9月期のGDP速報が発表される。アメリカでは14日に、9月の貿易統計。15日に、10月の工業生産が発表になる。またEUが14日に、7-9月期のGDP速報を発表する。
≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 市場の見方は複雑 = アメリカ商務省の発表によると、7-9月期のGDP実質成長率は2.8%だった。昨年7-9月期以来の高い伸び率で、民間が事前に予想した1.9%をかなり上回っている。しかし株式市場はこの結果を評価せず、7日のダウ平均は153ドルも下落した。成長の内容に不安があったことと、8日に発表される予定の雇用統計を警戒したためである。
アメリカの成長率は、ことし1-3月期が1.1%、4-6月期が2.5%だった。したがって7-9月期の2.8%は決して悪い数字ではない。ただ内容をみると、最も重視されている個人消費が1.5%の伸び。前期の1.8%をやや下回った。間もなく始まるクリスマス商戦の見通しも、あまり芳しくない。市場はこの点を懸念した。
成長率を押し上げたのは住宅投資で14.6%の増加だった。また輸入の伸びが鈍化したこともプラス要因になっている。しかし住宅需要はピークを過ぎたとみられており、輸入の鈍化も一時的な現象との見方が多い。個人消費の内訳をみると、耐久財は7.8%の増加だったが、サービス需要が0.1%増とほとんど横ばいにとどまった。
市場はこうしたGDPの内容から、10月以降の景気動向を心配したわけである。特に10月には議会が予算を成立させなかったために、政府機関の一部が閉鎖された。この点も10-12月期の成長率を低下させる材料になると、市場関係者は考えたようだ。ところが翌8日に発表された10月の雇用統計は、予想をはるかに上回る好結果となった。
(続きは明日)
≪11日の日経平均 =上げ +183.04円 ≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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アメリカの成長率は、ことし1-3月期が1.1%、4-6月期が2.5%だった。したがって7-9月期の2.8%は決して悪い数字ではない。ただ内容をみると、最も重視されている個人消費が1.5%の伸び。前期の1.8%をやや下回った。間もなく始まるクリスマス商戦の見通しも、あまり芳しくない。市場はこの点を懸念した。
成長率を押し上げたのは住宅投資で14.6%の増加だった。また輸入の伸びが鈍化したこともプラス要因になっている。しかし住宅需要はピークを過ぎたとみられており、輸入の鈍化も一時的な現象との見方が多い。個人消費の内訳をみると、耐久財は7.8%の増加だったが、サービス需要が0.1%増とほとんど横ばいにとどまった。
市場はこうしたGDPの内容から、10月以降の景気動向を心配したわけである。特に10月には議会が予算を成立させなかったために、政府機関の一部が閉鎖された。この点も10-12月期の成長率を低下させる材料になると、市場関係者は考えたようだ。ところが翌8日に発表された10月の雇用統計は、予想をはるかに上回る好結果となった。
(続きは明日)
≪11日の日経平均 =上げ +183.04円 ≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 予想を大幅に上回る = 米労働省が8日発表した10月の雇用統計は、多くの人を驚かせた。注目された非農業雇用者数は20万4000人の増加。事前の予想は12万人程度だったから、はるかに高い数字となった。予想がこんなに大きく外れることも珍しい。
そのうえ労働省は8月と9月の雇用者数を、いずれも大きく上方修正した。この結果、過去1年間でみても雇用者の増加数は月平均19万人に達している。雇用の改善は、専門家の予想よりも順調に進んでいるわけだ。市場はこの結果を素直に受け入れ、8日のダウ平均は168ドルの値上がり。終り値で史上最高値を更新している。
議会が予算を成立させなかったため、10月の前半は政府機関の一部が閉鎖された。専門家は事前の予想で政府職員の一時帰休を考慮に入れ、雇用者の増加を低く見積もったフシがある。しかし労働省は一時帰休を雇用者の減少とはカウントしなかった。この措置についての疑問や批判は全く聞こえてこない。
市場が抱え込んだ問題は、またもや金融緩和政策の縮小である。成長率は予想より高かったが個人消費が伸び悩んだために、緩和の縮小は話題にならなかった。しかし予想を上回る雇用の改善は、縮小時期の前倒しを連想させる。先週末に発表された2つの経済指標を巡って、これをどう咀嚼すればいいのか。ウォール街はいま頭を悩ませている。
≪12日の日経平均 = 上げ +318.84円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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そのうえ労働省は8月と9月の雇用者数を、いずれも大きく上方修正した。この結果、過去1年間でみても雇用者の増加数は月平均19万人に達している。雇用の改善は、専門家の予想よりも順調に進んでいるわけだ。市場はこの結果を素直に受け入れ、8日のダウ平均は168ドルの値上がり。終り値で史上最高値を更新している。
議会が予算を成立させなかったため、10月の前半は政府機関の一部が閉鎖された。専門家は事前の予想で政府職員の一時帰休を考慮に入れ、雇用者の増加を低く見積もったフシがある。しかし労働省は一時帰休を雇用者の減少とはカウントしなかった。この措置についての疑問や批判は全く聞こえてこない。
市場が抱え込んだ問題は、またもや金融緩和政策の縮小である。成長率は予想より高かったが個人消費が伸び悩んだために、緩和の縮小は話題にならなかった。しかし予想を上回る雇用の改善は、縮小時期の前倒しを連想させる。先週末に発表された2つの経済指標を巡って、これをどう咀嚼すればいいのか。ウォール街はいま頭を悩ませている。
≪12日の日経平均 = 上げ +318.84円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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◇ 1人当たり794万円に = 財務省の発表によると、国の借金は9月末時点で1011兆1785億円に達した。3月末に比べると、19兆5774億円も増えている。この借金を国民1人当たりにすると約794万円。財務省では、来年3月末には1107兆円になると予想している。
借金の内訳をみると、国債が840兆円。借入金が55兆円。政府短期証券が117兆円。3月末時点に比べると、借入金はやや減ったが、政府短期証券は1兆7000億円の増加だった。問題の国債は18兆1000億円も増加している。
論理的に言うと、国債の発行がこれだけ増えると、国債の価格が下がって金利は上昇するはず。ところが実際は、金利がじりじり下がる異常な現象が起きている。新発10年もの国債の流通利回りは、5月には1%前後だった。それが先週は5.90%にまで低下。今週も6.00%の水準で上下している。
最大の理由は、日銀が大量の国債を買い入れていること。最近の日銀は、国債発行額の約7割を市場から購入し続けている。この日銀の“買い支え”に安心した銀行と生保が、価格が少し安くなると国債を買う。このため価格は上がり気味で、金利は下がる。しかし仮に価格が下がり始めたら、銀行や生保が大損することは必至。いつ金利が上昇し始めるかに怯えながらの国債購入を続けている。
≪13日の日経平均 = 下げ -21.52円≫
≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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借金の内訳をみると、国債が840兆円。借入金が55兆円。政府短期証券が117兆円。3月末時点に比べると、借入金はやや減ったが、政府短期証券は1兆7000億円の増加だった。問題の国債は18兆1000億円も増加している。
論理的に言うと、国債の発行がこれだけ増えると、国債の価格が下がって金利は上昇するはず。ところが実際は、金利がじりじり下がる異常な現象が起きている。新発10年もの国債の流通利回りは、5月には1%前後だった。それが先週は5.90%にまで低下。今週も6.00%の水準で上下している。
最大の理由は、日銀が大量の国債を買い入れていること。最近の日銀は、国債発行額の約7割を市場から購入し続けている。この日銀の“買い支え”に安心した銀行と生保が、価格が少し安くなると国債を買う。このため価格は上がり気味で、金利は下がる。しかし仮に価格が下がり始めたら、銀行や生保が大損することは必至。いつ金利が上昇し始めるかに怯えながらの国債購入を続けている。
≪13日の日経平均 = 下げ -21.52円≫
≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 半年で4兆円を超す赤字 = 財務省が発表した13年度上半期(4-9月)の国際収支状況によると、経常収支は3兆円の黒字だった。この黒字額は前年同期を10.7%上回っている。貿易収支は4兆1000億円といぜん大幅な赤字を続けているが、所得収支が9兆円の黒字を計上したためである。
貿易収支の内容をみると、輸出は33兆8000億円で前年比9.2%の増加。しかし輸入が38兆5000億円と前年より14.5%も伸びたため、貿易収支は上半期としては53年ぶりの巨額な赤字を記録した。一方、海外から受け取る利子や配当を集計した所得収支は大幅に伸びている。
国際収支のこうした形について「経済が成熟すると貿易収支は赤字になり、それを所得収支の黒字が補うようになる。だから日本の最近の国際収支は正常な形だ」という見方が多い。たしかに、その通りではある。しかし、それにしても貿易の赤字が大きすぎるのではないだろうか。
貿易収支が大赤字になっている原因は、やはり燃料輸入の増大。上半期の鉱物性燃料の輸入額は13兆円にのぼった。大震災前の10年上半期に比べると、4兆5000億円も増えている。そのほとんどが企業や個人の負担になっているから、それだけの購買力が海外へ流出しているわけだ。脱原発は正しい方向だと思うが、すべての原発を止めたままでいいかどうか。現実的な視点から考える必要があるのではないか。
≪14日の日経平均 = 上げ +309.25円≫
≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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貿易収支の内容をみると、輸出は33兆8000億円で前年比9.2%の増加。しかし輸入が38兆5000億円と前年より14.5%も伸びたため、貿易収支は上半期としては53年ぶりの巨額な赤字を記録した。一方、海外から受け取る利子や配当を集計した所得収支は大幅に伸びている。
国際収支のこうした形について「経済が成熟すると貿易収支は赤字になり、それを所得収支の黒字が補うようになる。だから日本の最近の国際収支は正常な形だ」という見方が多い。たしかに、その通りではある。しかし、それにしても貿易の赤字が大きすぎるのではないだろうか。
貿易収支が大赤字になっている原因は、やはり燃料輸入の増大。上半期の鉱物性燃料の輸入額は13兆円にのぼった。大震災前の10年上半期に比べると、4兆5000億円も増えている。そのほとんどが企業や個人の負担になっているから、それだけの購買力が海外へ流出しているわけだ。脱原発は正しい方向だと思うが、すべての原発を止めたままでいいかどうか。現実的な視点から考える必要があるのではないか。
≪14日の日経平均 = 上げ +309.25円≫
≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ 重要な金融機関の選択 = NISAを利用できる金融商品は、証券取引所に上場している株式・REIT(不動産投信)・ETF(上場投信)・一般的な株式投信だけ。国債などの債券・公社債投信・FX(外国為替証拠金取り引き)・先物などの金融派生商品は対象外だ。
ここで知っておかなければならないことは、証券会社と銀行の取り扱い商品。証券会社はすべての商品を扱うが、銀行は一部のネット専業銀行を除けば、株式・REIT・ETFを扱わない。したがって銀行が扱うのは、一般的な株式投信に限られることになる。
株式投資信託については、証券会社も銀行も取り扱う。だが株式投信の種類はきわめて多い。このため証券会社や銀行によって、取り扱う投信の種類はまちまち。そこをよく調べてから金融機関を決めないと、自分が買いたい種類の投信が買えなくなってしまう。NISAの規定では、いったん専用口座を開設すると、4年間は別の口座に移動することができないから注意が必要だ。
また金融機関によって、売買の際に支払う手数料もまちまち。無料のところもある。この点もよく調べてから金融機関を選んで、口座を開設したい。口座の開設手続きはすでに10月から始まっているが、NISAの実施期間中はいつでも開設が可能。焦ることは全くない。
(続きは来週サタデー)
≪15日の日経平均 = 上げ +289.51円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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ここで知っておかなければならないことは、証券会社と銀行の取り扱い商品。証券会社はすべての商品を扱うが、銀行は一部のネット専業銀行を除けば、株式・REIT・ETFを扱わない。したがって銀行が扱うのは、一般的な株式投信に限られることになる。
株式投資信託については、証券会社も銀行も取り扱う。だが株式投信の種類はきわめて多い。このため証券会社や銀行によって、取り扱う投信の種類はまちまち。そこをよく調べてから金融機関を決めないと、自分が買いたい種類の投信が買えなくなってしまう。NISAの規定では、いったん専用口座を開設すると、4年間は別の口座に移動することができないから注意が必要だ。
また金融機関によって、売買の際に支払う手数料もまちまち。無料のところもある。この点もよく調べてから金融機関を選んで、口座を開設したい。口座の開設手続きはすでに10月から始まっているが、NISAの実施期間中はいつでも開設が可能。焦ることは全くない。
(続きは来週サタデー)
≪15日の日経平均 = 上げ +289.51円≫
【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】
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第15章 消費税って、なんだろう? ⑦
◇ 大きい消費税の税収 = みなさんが納める消費税は、1年間でどのくらいの金額になるのでしょう。13年度(ことし4月-来年3月)の予算で調べてみると、消費税の収入見積りは10兆6000億円。ずいぶん大きな金額ですね。いろいろな税金のなかで収入見積りがいちばん大きいのは、サラリーマンや自分で商売をしている人が納める所得税で、金額は13兆9000億円です。消費税はそれに次いで2番目に大きな税金になっています。
13年度予算では、税金全体の収入を43兆円と見込んでいます。ですから消費税は、その4分の1にも当たります。会社が納める法人税やガソリンにかかる税金よりも、その金額は多いわけです。また13年度予算では、防衛関係に使うおカネが4兆8000億円。文教関係費が4兆円です。これとの比較でも、消費税の大きさは判るでしょう。
もう1つ、政府にとっては都合のいいことがあります。というのは所得税や法人税、あるいはガソリン税や酒税などの税金は、景気が悪くなると税収がぐっと減ってしまいます。消費税も景気が悪くなると減りますが、その減り方はそんなに大きくありません。ですから安定した税収を期待できるのです。
いま消費税の税率は5%でしたね。ですから割り算をすると、税率1%について税金の収入はだいたい2兆円強ということになります。来年4月からは8%に引き上げられますから、14年度の税収は16兆円以上になるわけです。また予定通り15年10月に10%の税率になれば・・・。みなさん、計算してみてください。
(続きは来週日曜日)
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◇ 大きい消費税の税収 = みなさんが納める消費税は、1年間でどのくらいの金額になるのでしょう。13年度(ことし4月-来年3月)の予算で調べてみると、消費税の収入見積りは10兆6000億円。ずいぶん大きな金額ですね。いろいろな税金のなかで収入見積りがいちばん大きいのは、サラリーマンや自分で商売をしている人が納める所得税で、金額は13兆9000億円です。消費税はそれに次いで2番目に大きな税金になっています。
13年度予算では、税金全体の収入を43兆円と見込んでいます。ですから消費税は、その4分の1にも当たります。会社が納める法人税やガソリンにかかる税金よりも、その金額は多いわけです。また13年度予算では、防衛関係に使うおカネが4兆8000億円。文教関係費が4兆円です。これとの比較でも、消費税の大きさは判るでしょう。
もう1つ、政府にとっては都合のいいことがあります。というのは所得税や法人税、あるいはガソリン税や酒税などの税金は、景気が悪くなると税収がぐっと減ってしまいます。消費税も景気が悪くなると減りますが、その減り方はそんなに大きくありません。ですから安定した税収を期待できるのです。
いま消費税の税率は5%でしたね。ですから割り算をすると、税率1%について税金の収入はだいたい2兆円強ということになります。来年4月からは8%に引き上げられますから、14年度の税収は16兆円以上になるわけです。また予定通り15年10月に10%の税率になれば・・・。みなさん、計算してみてください。
(続きは来週日曜日)
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◇ イエレン効果で株価が高騰 = 来年1月末にFRBの新議長に就任するイエレン女史が、いろいろな機会をとらえて金融緩和政策の長期化を示唆。特に14日の上院公聴会では「特定の時期は決めていない」と明言した。株式市場はこの発言を好感、先週の株価は日米ともに高騰した。
ダウ平均は先週200ドルの値上がり。連日のように史上最高値を更新して、終り値はあと38ドルで1万6000ドル台に届く水準にまで上昇した。日経平均も先週は1079円の値上がり。週間の上げ幅が1000円を超えたのは、なんと02年3月以来11年8か月ぶりのこと。
ニューヨーク市場は今週も“イエレン相場”が続きそうだ。東京市場は1000円を超えた上げのあとだけに、利益確定売りも多いだろう。ただ相場を支える企業業績も好調だから、下値は限られそう。100円まで下落した円相場がどこまで反発するかによっても、相場は大きく左右される。
今週は20日に、10月の貿易統計と9月の全産業活動指数。アメリカでは18日に、11月のNAHB住宅市場指数。20日に、10月の消費者物価、小売り売上高、中古住宅販売。21日に、10月の生産者物価が発表される。また中国が18日、主要都市の住宅価格を発表の予定。
≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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ダウ平均は先週200ドルの値上がり。連日のように史上最高値を更新して、終り値はあと38ドルで1万6000ドル台に届く水準にまで上昇した。日経平均も先週は1079円の値上がり。週間の上げ幅が1000円を超えたのは、なんと02年3月以来11年8か月ぶりのこと。
ニューヨーク市場は今週も“イエレン相場”が続きそうだ。東京市場は1000円を超えた上げのあとだけに、利益確定売りも多いだろう。ただ相場を支える企業業績も好調だから、下値は限られそう。100円まで下落した円相場がどこまで反発するかによっても、相場は大きく左右される。
今週は20日に、10月の貿易統計と9月の全産業活動指数。アメリカでは18日に、11月のNAHB住宅市場指数。20日に、10月の消費者物価、小売り売上高、中古住宅販売。21日に、10月の生産者物価が発表される。また中国が18日、主要都市の住宅価格を発表の予定。
≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ ダウを最高値に押し上げ = 次期FRB議長に就任するジャネット・イエレン女史が、早くも動き出した。記者会見やインタビューで金融緩和政策の継続を強調、上院の公聴会でも「量的緩和の縮小時期について、特定の時期は決めていない」と明言した。淡々とした平易な語り口が、きわめて印象的だった。
市場はこうした発言を好感。先週のダウ平均は日替わりで史上最高値を更新、今週中にも1万6000ドル台に乗せる勢いである。日経平均も先週は1000円を超す値上がり。1週間としては11年ぶりの大幅上昇を記録した。日米ともに景気の回復が進み企業業績も高水準だが、イエレン効果の大きさは否定できない。
イエレンさんは現在67歳、FRBの副議長を務めている。エール大学出身の経済学者で、専攻は雇用・失業問題。クリントン政権ではCEA(大統領経済諮問委員会)委員長も経験した。夫君も経済学者で01年にはノーベル賞を受賞したジョージ・アカロフ氏。この9月には、全米の経済学者300人以上が連名でオバマ大統領にイエレンさんの推薦状を送ったという。
アメリカ労働省が今月8日に発表した10月の雇用統計は、市場に大きなショックを与えた。非農業雇用者数が予想をはるかに上回って、20万4000人も増加したためである。この結果、市場には景気の回復を歓迎する一方で、FRBが緩和政策の縮小を早めるのではないかという疑念も巻き起こった。イエレン発言はこうした疑念を払拭し、株価の上昇を後押ししたことになる。
(続きは明日)
≪18日の日経平均 = 下げ -1.62円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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市場はこうした発言を好感。先週のダウ平均は日替わりで史上最高値を更新、今週中にも1万6000ドル台に乗せる勢いである。日経平均も先週は1000円を超す値上がり。1週間としては11年ぶりの大幅上昇を記録した。日米ともに景気の回復が進み企業業績も高水準だが、イエレン効果の大きさは否定できない。
イエレンさんは現在67歳、FRBの副議長を務めている。エール大学出身の経済学者で、専攻は雇用・失業問題。クリントン政権ではCEA(大統領経済諮問委員会)委員長も経験した。夫君も経済学者で01年にはノーベル賞を受賞したジョージ・アカロフ氏。この9月には、全米の経済学者300人以上が連名でオバマ大統領にイエレンさんの推薦状を送ったという。
アメリカ労働省が今月8日に発表した10月の雇用統計は、市場に大きなショックを与えた。非農業雇用者数が予想をはるかに上回って、20万4000人も増加したためである。この結果、市場には景気の回復を歓迎する一方で、FRBが緩和政策の縮小を早めるのではないかという疑念も巻き起こった。イエレン発言はこうした疑念を払拭し、株価の上昇を後押ししたことになる。
(続きは明日)
≪18日の日経平均 = 下げ -1.62円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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◇ いつかは突き当たる大問題 = FRBのバーナンキ現議長は来年1月末で退任する。イエレンさんは2月1日に就任、FRB100年の歴史で初めての女性議長が誕生するわけだ。そのバーナンキ議長は、市場から国債などを大量に買い入れる量的金融緩和政策を導入した人。イエレン女史も副議長として政策立案に携わったから、その重要性については十分に認識している。
市場のイエレン新議長にかける期待は大きい。バーナンキ路線は当然受け継ぐだろうし、専門が雇用問題だから失業者が大幅に減るまでは金融緩和を継続すると読む。このためダウ平均はまだまだ上昇するとみる楽観論も強まってきた。東京市場でも、年内に1万6000円は確実との見方が有力になっている。
だがアメリカの景気が回復を続ければ、どこかで金融緩和を縮小し始めなければならない。FRB議長の任期は4年。イエレンさんは、どこかで決断を迫られる可能性は大きい。そのとき市場を上手に納得させられるかどうか。また新興国の経済に打撃を与えずに、カジ取りができるかどうか。
バーナンキ現議長は5月に、金融緩和の“出口”を示唆して市場を大混乱に陥れた。新興国から資本が流出して、新興国の経済を圧迫した。イエレン新議長は当時の経緯もよく知っている。しかも市場からは緩和を継続する“ハト派”だと思い込まれてしまったから、カジの切り替えは余計にむずかしい。大変な荷物を背負っての船出であることに間違いない。
≪19日の日経平均 = 下げ -37.74円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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市場のイエレン新議長にかける期待は大きい。バーナンキ路線は当然受け継ぐだろうし、専門が雇用問題だから失業者が大幅に減るまでは金融緩和を継続すると読む。このためダウ平均はまだまだ上昇するとみる楽観論も強まってきた。東京市場でも、年内に1万6000円は確実との見方が有力になっている。
だがアメリカの景気が回復を続ければ、どこかで金融緩和を縮小し始めなければならない。FRB議長の任期は4年。イエレンさんは、どこかで決断を迫られる可能性は大きい。そのとき市場を上手に納得させられるかどうか。また新興国の経済に打撃を与えずに、カジ取りができるかどうか。
バーナンキ現議長は5月に、金融緩和の“出口”を示唆して市場を大混乱に陥れた。新興国から資本が流出して、新興国の経済を圧迫した。イエレン新議長は当時の経緯もよく知っている。しかも市場からは緩和を継続する“ハト派”だと思い込まれてしまったから、カジの切り替えは余計にむずかしい。大変な荷物を背負っての船出であることに間違いない。
≪19日の日経平均 = 下げ -37.74円≫
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