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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
今週のポイント
2008-12-01-Mon  CATEGORY: 政治・経済
日米の株式市場では先週、好ましい変化が見受けられた。ダウ平均株価は、休日をはさんで5営業日連続の上昇。昨年7月以来、1年4か月ぶりのことである。1週間の上げ幅も783ドル、率にして9.7%上昇した。政府によるシティ・グループ救済やFRB(連邦準備理事会)の流動性追加が好感された。

日経平均は1週間で601円の上げ。上昇率は7.6%だった。この結果、11月中の下げ幅は64円に止まっている。10月中の下げ幅2683円に比べれば、ある意味では劇的な改善とも言えるだろう。外国人の売りも、急速に縮小した。ただ日米の株価が、このまま回復軌道に乗るかどうかについては、大きな疑問がある。

その最大の理由は、日米ともに実体経済の下降が止まらない点にある。たとえば今週2日には、ビッグスリーが経営計画を出し直す。アメリカ議会はこれを受けて、上院は4日に、また下院は5日に公聴会を開く。ここで再び経営計画が了承されないことになるようだと、市場の空気はいっぺんに暗くなるだろう。 

このほかアメリカでは、1日に11月の新車販売台数。5日には11月の雇用統計が発表になる。また国内では、1日に11月の新車販売、4日には7-9月期の法人企業統計。いずれも予想より結果が悪いと、株式は売られるだろう。あと注目すべき予定は3日のイングランド銀行、4日のECB(ヨーロッパ中央銀行)理事会。ともに追加利下げの可能性をはらんでいる。

    ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ

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的はずれの 3段ロケット (上)
2008-12-02-Tue  CATEGORY: 政治・経済
麻生首相と小沢民主党代表は28日、初めて国会で党首討論を行なった。小沢代表が「二次補正予算をいまの国会に提出せよ」と迫ったのに対して、麻生首相は「景気対策は一次補正で年内、二次補正で年度内をカバーし、そのあとを09年度予算につなぐ。3段ロケットで対応する」と胸を張った。

なぜ二次補正を、いまの国会に提出しないのか。提出すると解散に追い込まれるからだと解説されているが、これは全く永田町の論理で、国民にはわかりにくい。さらに経済の観点から見ると、麻生首相の“3段ロケット”方式はどう考えても的はずれの感じが濃い。

それは10月の経済指標を見れば、歴然としている。輸出は前年比7.7%の大幅な減少。頼みのアジア向けも、80か月ぶりに減少に転じてしまった。このため工業生産は前年比3.1%の低下、在庫は過去最高の水準に。家計の消費支出も前年比3.8%縮小した。

これだけの材料が揃えば、10-12月期のGDP(国内総生産)がマイナス成長になることは確実だと推定できる。そうなれば3四半期連続のマイナス成長だ。にもかかわらず、1兆8000億円の追加支出しか伴わない一次補正で、年内は対応できると主張する麻生首相の発言は全く的はずれ。3段ロケットは1段目から、目標を向いていない。

                                  (続きは明日)

    ≪1日の日経平均 = 下げ -115.05円≫

    ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ

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的はずれの 3段ロケット (下)
2008-12-03-Wed  CATEGORY: 政治・経済
民主党の小沢代表も、経済問題に弱すぎる。麻生首相が「年内は一次補正で対応」と答えたときに、すぐに「10-12月期の成長率はマイナスにならないんだね」と切り込まなかったのだろう。いくら麻生首相でも「なりません」とは言えなかったにちがいない。そうすれば「今国会で二次補正を」の論旨が、もっと明確になったはずだ。

この調子だと、国会では来年2月ごろに二次補正が俎上にのぼる。ちょうどそのころ10-12月期のGDPが発表になり、景気の悪さが改めて印象付けられる。すると総額5兆円の二次補正では、不十分だという批判が盛り上がる。では来年度予算で対処しましょう。このようにして、景気対策のタイミングが、ひとつひとつズレ込んで行くわけだ。

火事と景気対策は、初期活動がなにより大切だ。消火活動が遅れると、それだけ火の手は大きくなるから、厄介になる。景気対策も早めに実行すれば、財政支出も少なくて済む。遅れると支出はふくらむし、税収も減ってしまうから、財政事情は一気に悪化する。

そいう観点から言えば、二次補正で10-12月期、三次補正で1-3月期の手当てをするべきだった。来年度予算まで入れれば、4段階ロケットが正解だったと思う。とにかく麻生内閣は、景気の現状を甘く見すぎているのではないだろうか。照準がズレてしまった3段ロケットでは、景気の回復は無理である。

    ≪2日の日経平均 = 下げ -533.53円≫

    ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ

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米も景気後退を確認 : 戦後最長へ
2008-12-04-Thu  CATEGORY: 政治・経済
NBER(全米経済研究所)は1日、アメリカ経済が昨年12月から景気後退入りしたことを公式に確認した。NBERは半民半官の調査機関だが、伝統的に景気循環の日付を決める権限を持っている。通常、NBERは2つの四半期にわたってマイナス成長が続くことをリセッション(景気後退)の基準にしてきたが、今回は全く異例の決定。

アメリカの実質成長率は、前期比の年率換算で07年10-12月期がマイナス0.2%だった。ことし1-3月期と4-6月期は、それぞれ0.9%、2.8%のプラスに回復。7-9月期は再び0.5%のマイナスに落ち込んでいる。したがって従来通りの判定方法に従えば、まだ景気後退ではない。

にもかかわらず異例の決定を下したことについて、NBERは「従来の基準にとらわれず、全体的に、特に雇用情勢を重視して決定した」と説明している。昨年12月から後退入りしたとすると、来年4月まで後退が続けば戦後最長。大恐慌以来の長さになるという。

この決定を受けて、1日のダウ平均株価は680ドルの急落となった。しかし同時に金融当局と議会の対応は驚くほど早い。まずバーナンキFRB(連邦準備理事会)議長は「利下げを含む追加措置をとる」と明言。FRBによるTB(政府短期証券)の買い入れという新しい政策の導入をにおわせた。一方、議会もことし中に600億ー1000億ドルの景気対策、さらに来年にも財政支出を追加する法案をまとめている。どこかの国とは雲泥の差だ。

    ≪3日の日経平均 = 上げ +140.41円≫

    ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ

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円相場が史上最高に : 実効レート
2008-12-05-Fri  CATEGORY: 政治・経済
円相場が過去最高の水準に上昇している。日銀によると、円の名目実効為替レートは11月に364.8に上昇。対ドル相場で史上最高値をつけた、95年4月の水準360.4を上回った。世界同時不況の影響で日本の輸出はすでに前年を大きく割り込んでいるが、為替相場の面からも不利な条件が強まってきた。

名目実効為替レートというのは、日本の主要な貿易相手国15の通貨に対する為替レートを貿易高に応じて加重平均した数値。言い換えると、15の通貨に対する円の総合的な価値を表わしている。したがって、米ドルやユーロといった個別の通貨に対する相場よりも、全体の輸出や輸入に対する為替レートの影響を見るのに適している。

昨年11月の実効レートは293.4だった。その後は300前後で推移してきたが、10月には342.3に急騰。11月はさらに一段高となった。日銀では、世界的な株価の下落で国内の投資家が外貨を円に戻したことが原因だとみている。

円の11月中の対ドル相場は93-99円台の高値圏で推移。ユーロやアジア諸国の通貨に対しても上昇した。今後もアメリカやヨーロッパ、さらに中国やインドなどのアジア諸国では、景気の下降を防ぐために利下げが進みそう。このため円の実効レートは当分の間、高止まりするものとみられている。

    ≪4日の日経平均 = 下げ -79.86円≫

    ≪5日の日経平均は? 予想 =下げ

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サタデー自習室 -- 団塊世代の解析 ⑥
2008-12-06-Sat  CATEGORY: 政治・経済
6)その財源問題 = 団塊世代の定年による大量退職。その退職金を地方債で賄う自治体が急増して、大きな問題になっている。総務省の調べによると、07年度に都道府県が支払った退職金の総額は1兆4700億円だった。このうち43の道府県が、計3947億円の退職手当債を発行して退職金の一部に充てている。

退職手当債の発行は、05年度の場合は1県だけ。金額も30億円に止まっていた。それが07年度には4000億円近くに増加。08年度も予算ベースでみると、44道府県で合計4284億円に達している。発行を予定していないのは、東京都、鳥取県、島根県の3都県のみ。東京は地方税収で賄え、鳥取と島根は退職者の急増がないためだという。

民間会社の多くは将来の退職者数を予想して、退職金給付の引当金を積み立てている。ところが自治体にはこの制度がなく、団塊世代の退職金を地方債という“借金”に頼らざるをえなくなってしまった。07-09年には定年退職者が大幅に増えることが判っていながら、その準備をしてこなかった自治体の怠慢だという批判が強まっている。

民間の場合は会社の経営が悪化しても、退職金のために債券を発行するわけにはいかない。こうした会社では、退職金を支払わないか、大幅にカットするしかない。総務省によると、自治体の平均退職金額は2700万ー2800万円。退職手当債を発行した自治体は、退職金のカットを考えるべきだという意見も強まっている。

                                (続きは来週サタデー)

    ≪5日の日経平均 = 下げ -6.73円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】 

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2008-12-07-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第12章 景気って、なんだろう? ⑩

経済指標や景気指標と呼ばれる統計は、ほかにもたくさんあります。また生産とか収入といったモノやおカネの集計ではなく、景気についての感触調査も盛んに行なわれています。たとえば景気ウォッチャー調査というのは、スーパーの店長やタクシーの運転手さんなど、景気をいつもハダで感じ取っている人に、景気はいいか悪いかを聞いています。

この感触調査で有名なのは、日本銀行がいろいろな会社の経営者に聞いている短期観測調査。短く「短観(たんかん)」とも言われます。最近の短観をみると、これまでいちばん景気の感触がよかった大企業の感触も大きく落ち込んでしまいました。

重要な経済指標だけを取り出して組み合わせ、景気の動きをみようと工夫されたのが景気動向指数です。この指数も、最近の結果は前月より大きく落ち込んでいます。生産や消費といった指標が、バラバラな動きをすることがあります。そんなとき、この景気動向指数をみると全体としての傾向を知ることができるでしょう。

また経済指標ではありませんが、政府は毎月1回「月例(げつれい)経済報告」を発表します。これは政府が経済の現状をどう判断しているかを、国民に説明する報告書です。08年10月の月例報告で、政府は初めて「景気は弱まっている」という判断を明らかにしました。

                                 (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2008-12-08-Mon  CATEGORY: 政治・経済
アメリカ経済の悪化が止まらない。11月の雇用者数は、前月より53万3000人の減少。石油ショック時以来、34年ぶりの大幅な減少となった。新車の販売台数も前年比36.7%の減少、26年ぶりの低水準に。10月の一戸建て新築住宅販売件数も、前年比40.1%の減少だった。すさまじいとも言える落ち込みぶりである。

ダウ平均株価は5営業日連続して上げたあと、こうした経済指標の発表を受けて、先週は194ドルの反落となった。ただ、そうした流れのなかで「オヤッ」という動きも見受けられた。それは雇用統計の数字が予想より悪かったにもかかわらず、5日の株価が後場から盛り返して結局259ドル上昇したこと。

株価が切り返した理由は、原油価格が1バレル40ドル台にまで下落したことを好感したもの。これまでは原油価格の下落を景気後退の結果だと受け止めてきた市場が、原油の値下がりは個人消費の増加と企業のコスト低下につながると期待したためだという。最近は影を潜めていた楽観的なものの見方が、ちらりと顔を出したようにも感じられた。

今週、国内では8日に11月の企業倒産と景気ウォッチャー調査。9日には7-9月期のGDP改定値、10月の景気動向指数。10日には10月の機械受注が発表になる。東京市場でも、なにか楽観的な見方が現れるといいのだが。

    ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ

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何もやってない 麻生内閣 (上)
2008-12-09-Tue  CATEGORY: 政治・経済
朝日新聞と読売新聞は8日付けの朝刊 1面トップで、ともに麻生内閣の支持率が急落した世論調査の結果を大きく伝えた。朝日新聞の調査結果では支持率が22%で、1か月前の37%から急降下。読売新聞の結果では支持率が20.9%、こちらは前月の調査結果40.5%に比べてほぼ半減している。

読売新聞の調査結果をみると、不支持率は66.7%に急増したが、支持しない理由でいちばん多かったのは「政策に期待できない」こと。また現在の経済情勢に「的確に対応していない」という回答が82.5%にものぼった。具体的な政策に関しても、二次補正予算の先送りや2兆円の定額給付金については、否定的な回答が圧倒的に多い。

麻生政権が誕生してから2か月。経済政策についてみると、この間に実現したのは総額1兆8000億円の総合経済対策だけと言っていい。しかも、この対策は福田前内閣の置き土産。原油の高騰で苦しくなった運輸業者や漁業者に対する、きわめて緊急的な対応策だった。したがって、麻生内閣独自の経済政策は発足以来、なにも実行されていない。

いまの政府が日本経済の現状を楽観的に見ているのかというと、そうでもないらしい。麻生首相は就任以来「経済は大変な状況だ」と述べ、また「政局よりも経済政策が大事」と言い続けてきた。与謝野経済財政相も「経済の先行きには自信が持てない」とまで発言している。にもかかわらず、なにも実行しない。このギャップが国民を苛立たせ、今回の世論調査結果をもたらした。

                                 (続きは明日)

    ≪8日の日経平均 = 上げ +411.54円≫

    ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ

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何もやってない 麻生内閣 (下)
2008-12-10-Wed  CATEGORY: 政治・経済
日本経済の現状は、きわめて悪い。しかも、さらに悪い方向へと進んでいる。7-9月期の企業利益は前年比22.5%減、3四半期連続の減収減益となった。10月の輸出は前年比7.7%減少、生産は前月比3.1%の低下。家計の支出は前年比3.0%の減少と、いいところが全くない。

7-9月期のGDP(国内総生産)は、年率1.8%のマイナス成長だった。これでマイナス成長は2四半期連続。さらに10-12月期はマイナス幅が拡大して、5%程度の大幅なマイナス成長を覚悟しなければならないという見方も強まっている。どう考えても、政府が手をこまぬいている場合ではない。

アメリカもヨーロッパ諸国も、さらには中国もインドも。この世界的な大不況をなんとか乗り切ろうとして、財政・金融政策を次々と打ち出している。そうしたなかで、日本だけが対策を実行できないでいるのは、なんとも奇妙な事態だとしか言いようがない。世界のなかで、日本の鈍さと遅さを際立たせる形になっている。

与謝野経済財政相はテレビなどで、経済実態の深刻さを説明している。だが対策の必要性については、歯切れが悪い。中川財務・金融相や二階経済産業相などは、景気の現状認識や具体的な経済対策については触れたがらないようにも見受けられる。これでは経済閣僚として失格だ。麻生内閣の支持率急落は、首相だけの問題でもない。

    ≪9日の日経平均 = 上げ +66.82円≫

    ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ

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農水省の怠慢 : 小麦下げるべし
2008-12-11-Thu  CATEGORY: 政治・経済
日銀が10日発表した11月の企業物価は、前月比1.9%の下落だった。企業物価の下落は3か月連続。11月の下げ幅は、60年以降で最も大幅である。原油をはじめ素材や原材料の国際価格が急速に値下がりしたことに加えて、不況のために国内と輸出の両面で販売不振となる商品が増えたことを反映したものだ。

企業物価は8月の前年比7.4%上昇がピーク。その後は下落が加速している。11月の物価を前年比でみると、たとえば非鉄金属は20.7%、情報通信機器は6.0%、石油・石炭製品は3.1%値下がりした。ところが加工食品は6.5%の上昇となっている。特に小麦粉、菓子、パン類の価格が下がっていない。

日本は、国内で消費する小麦の9割を輸入に頼っている。その輸入は農林水産省が商社などを通じて一手に行ない、卸売り業者に売り渡す仕組み。昨年から小麦の国際価格が急騰したのに合わせて、農水省はこの売り渡し価格をたびたび引き上げた。パンやうどん類やスパゲッティが値上がりしたのは、このためである。

ところが小麦の国際価格も急速に下がっている。日銀の調査によれば、小麦の輸入価格はピークだった6月に比べると、11月は30%も下がっている。それなのに農水省は売り渡し価格を下げないから、小麦粉やパン類の小売価格が下がらない。機動的に値下げをすれば、国民も助かるし、消費も増える。お役所仕事と言ってしまえばそれまでだが、怠慢の見本だろう。

    ≪10日の日経平均 = 上げ +264.37円≫

    ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ

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地デジ普及に600億 : 米韓は延期した
2008-12-12-Fri  CATEGORY: 政治・経済
地上デジタル放送に対応したテレビ受信機の普及が遅れ、総務省は180万世帯に無償でチューナーを配布することになった。政府の方針では、11年7月24日で現在のアナログ放送を打ち切り、デジタル放送へ完全移行する。そのためには約5000万台のデジタル受信機が普及しないと、テレビを見られなくなる世帯が生じてしまう計算だ。

ところが9月現在の普及台数は約2350万台で、目標の半分にも達していない。期待した北京オリンピックも空振り。その後の世界不況で、デジタル受信機の売れ行きはいっそう鈍化している。このため総務省は、生活保護世帯など180万世帯に専用チューナーを無償で配布することになった。その費用は600億円。

デジタル受信機は画質がよく、双方向放送も楽しめる。だから結構なことには違いないが、なんでそんなに完全移行を急ぐ必要があるのだろう。政府は完全移行の結果、不要になる全国で300以上のアナログ電波をどう再利用するかも明らかにしていない。携帯電話の普及も飽和状態に近づいているときに、空いた電波をなにに使おうとしているのだろう。

600億円のカネがあれば、いまは雇用対策などに使うべきではないのか。デジタル化は3年ほど延期しても、大きな支障はない。しかも関東の場合は、12年にスカイツリー・タワーが完成すると、デジタルのアンテナを方向転換しなければならなくなる。総務省のメンツだけで、完全移行の時期にこだわるのは全くおかしい。すでにアメリカと韓国は、デジタル移行の日程を延期した。

    ≪11日の日経平均 = 上げ +60.31円≫

    ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 団塊世代の解析 ⑦
2008-12-13-Sat  CATEGORY: 政治・経済
7)その再就職 = 団塊世代の8割以上が、定年後も再就職して働く予定だ。民間リサーチ会社が団塊世代を対象に行なった調査によると、全体の57.1%が定年後も「働きたい」と回答。また「働きたくないが、働く予定」と答えた人は27.8%だった。両方を合わせると、84.9%もの人が再就職の意思を持っていると言えるだろう。

再就職を希望する理由については「経済的な理由」が最も多く、全体の70.3%を占めた。次いで「健康のため」「社会との接点を持っていたい」「技能や経験を活かしたい」などの理由が続いている。一方、働く予定がない人は、その理由として71.8%の人が「自分に時間を使いたい」と回答している。

再就職の形は、定年まで勤務していた会社やその関連会社で再雇用されるケースと、全く新しい職場に転向するケースがある。その実態は明らかでないが、どちらのケースでも資格免許を持っている人は有利。なかには中国やアジア諸国の会社から、引っ張りだこになる例もあるようだ。ただ最近の世界不況の影響で、内外ともに再就職の条件が厳しくなっていることは確かだろう。

企業のなかには、本人の希望で65歳までは勤務できるところも増えてきた。企業全体の約3割がこうした雇用政策をとっている。ところが企業の規模別にみると、傾向としては小規模な企業ほどこの制度を採用している。これは中小企業の人材不足を反映しているのだろう。逆に大企業では、一般に定年後の勤務延長を望む社員が少ないという。

                                (続きは来週サタデー)

    ≪12日の日経平均 = 下げ -484.68円≫

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2008-12-14-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第12章 景気って、なんだろう? ⑪

景気の状態は、最終的にGDP(国内総生産)統計で確認されます。GDPというのは、ある国が1年間にどれだけの経済活動をしたか。その全部を合計したものを、金額で表わした統計です。その国の経済の大きさを示す統計と言ってもいいでしょう。たとえば07年度の日本のGDPは515兆円。アメリカに次いで、世界で第2位の大きさです。

GDPは経済の大きさを表わす統計ですから、景気の状態とは関係がありません。GDPが増えていくスピードが、景気の状態を表わすのです。経済活動が活発だと、GDPは大きく増大します。逆にあまり活発でないと、そんなに増大しません。この増加率を、経済成長率と言います。つまり景気がいいと成長率は高くなり、景気が悪いと低くなるわけです。

日本も1960年代には10%を超える成長率で、好景気が続きました。しかし最近は低成長時代に入ったと言われ、景気はあまりよくありません。つまり世界で2番目のお金持ちなのですが、いまの景気はどうもパッとしないのです。

GDPは前に説明したように、結局は個人、会社、外国人、それに政府のおカネの使い方で決まってくるのです。たとえば07年度のGDPは06年度に比べて0.6%しか増えていません。その中身を調べてみると、個人と会社を合わせて0.3%、外国人は9.9%、政府が1.1%増えたことがわかります。輸出が伸びて外国人からのおカネは入ってきたのですが、個人と会社のおカネがあまり増えませんでした。

                                  (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2008-12-15-Mon  CATEGORY: 政治・経済
今週の焦点は、円相場の動き。先週は1ドル=88円10銭と、13年4か月ぶりの円高水準にまで上昇した。この円相場を動かす要因が、今週は続々と登場する。その結果、円相場は80円台の前半を目指すのか。それとも90円前後で、踏みとどまるのか。

15日には、日銀が12月の企業短期経済観測を発表する。おそらく企業の景況感は劇的と言えるほど低下し、景気の現状が予想以上に悪化していることを裏付ける結果が出るだろう。円相場にとっては、円安の要因になる。一方、アメリカではFOMC(公開市場委員会)が開かれ、ここで追加利下げが決定されると、日米の金利差はほとんどなくなる。これは円高要因。

16日には、アメリカで11月の住宅着工件数と消費者物価。またゴールドマンサックスの決算発表も。さらに17日にはモーガンスタンレーが決算発表する予定。これら大金融機関の決算内容が悪すぎると、再び金融不安が頭をもたげる可能性がある。もちろん円高要因。

18日には日銀の金融政策決定会合。ヨーロッパではECB(中央銀行)理事会。どちらも金利引下げを決定する可能性があるだけに、注目されている。日銀の利下げは円安要因、ECBの下げは円高要因として働くだろう。加えてビッグスリー関係のニュースも、いつ飛び込んでくるのか判らない。このように複雑な要因が絡み合っているだけに、円相場のゆくえは市場に聞くしかない。

    ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ

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間の抜けた 消費税論争 (上)
2008-12-16-Tue  CATEGORY: 政治・経済
麻生首相・与謝野経済財政相と自民・公明の与党税制調査会が、消費税の引き上げ時期をめぐって激しく対立している。麻生首相は与党税調に対して「消費税の引き上げ時期は“3年後”とする」よう求めたが、税調は12日まとめた09年度の税制大綱で「経済状況の好転後に速やかに実施」としか書かず、首相の要請に従わなかった。

これに対して、麻生首相は同日夜の記者会見で再び「11年度から消費税を含む税制の抜本的な改革を実施したい」と明言。3年後の引き上げを改めて強調した。同首相はまた年内に策定する税制抜本改革の「中期プログラム」に、3年後実施を明記するとも断言している。

世界同時不況のなかで、日本も本格的な景気対策の必要性に迫られている。したがって財政状況はいっそうの悪化を余儀なくされるが、財政再建という目的を捨て去るわけにはいかない。だから一時的には財政赤字が増大するけれども、同時に3年後からは消費税の引き上げで財政再建に努力することを、いまから明確にしておきたい--というのが、麻生首相と与謝野氏の考え方である。

ところが3年後の増税を明確にしたのでは、総選挙を戦えない。公明党がこの点を強く主張した結果、与党の税調は首相の指示に従わなかったわけである。公明党の幹部は“3年後”を明記するなら連立の解消もありうると述べたと伝えられるから、この引き上げ時期論争はなかなか深刻だ。しかし、よく考えてみると、この論争にはいかにも間の抜けたところがある。

                                   (続きは明日)

    ≪15日の日経平均 = 上げ +428.79円≫

    ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ

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間の抜けた 消費税論争 (下)
2008-12-17-Wed  CATEGORY: 政治・経済
なぜ間が抜けているかというと、麻生首相も与党税調も消費税引き上げを可能にするための経済条件を、きちんと規定していないからだ。麻生首相と与謝野経済財政相は「3年後に景気がよくなれば」と言っている。与党税調の大綱も「経済状況の好転後」と書いている。

だが「景気がよくなる」「経済の好転」とは、なにを指すのだろう。たとえば、いまマイナス成長に陥っているGDP(国内総生産)がプラスになればいいのか。あるいは2-3%程度の成長率になることを想定しているのか。この点がはっきりしなければ、“3年後”と明記することの是非を論じても、あまり意味がないように思われる。

また消費税を引き上げるには、法案を作って国会で審議しなければならない。現実にそういう動きが出れば、それだけで景気は冷やされる公算がきわめて強い。法案が出るまではプラス成長だったが、出たらマイナスに落ち込んだとき、それでも増税は実施するのだろうか。

そう遠からぬうちに、総選挙があることは確実だ。各党は国民に対する公約をマニフェストとしてまとめるが、そのときには消費税引き上げの前提条件を具体的に書いてほしい。どうにでも解釈できる曖昧な条件のままで、財政再建の“錦の御旗”は守りますと言われても、有権者はその是非を判断するわけにはいかない。

    ≪16日の日経平均 = 下げ -96.64円≫

    ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

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ついに米国はゼロ金利 : 日銀も?
2008-12-18-Thu  CATEGORY: 政治・経済
アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)は16日、政策金利のFF(フェデラル・ファンド)レートを0-0.25%に引き下げた。1%だった金利を0.75%-1%と大幅に下げたもので、アメリカは史上初めて実質的にゼロ金利の時代に突入した。金融機関への貸出金利である公定歩合も0.5%に引き下げている。

引き下げを発表した声明のなかで、FRBは「この1か月間で、経済の各部門はすべて悪化した。FRBとしては、持っている政策手段をすべて使う」と述べている。金利政策はもう使えないため、今後は金融の量的な緩和に全力をあげる決意を表明したものだ。具体的には長期国債や政府機関債、住宅ローン担保証券の買い入れを実施するとみられている。

日本の政策金利は現在0.3%。したがって日米の金利は、93年2月以来16年ぶりに逆転した。昨年の夏には4.75%もあった金利差が、FRBの矢継ぎ早な引き下げであっという間になくなってしまったわけである。この金利差の解消は、当然ながら円相場の上昇という結果を惹き起こした。

こうしたなか日銀は18-19の両日、金融政策決定会合を開く。日本経済の状況も、この1か月間で大幅に悪化した。その実態は、日銀自身が調査した12月の企業短期経済観測に明瞭な数字となって表れている。円高も進んでいるから、ここで日銀が利下げをためらうことはないだろう。0.1%とか0.2%とか利下げの幅を刻むことなく、思い切ってゼロ金利にする方がいい。

    ≪17日の日経平均 =  上げ +44.50円≫

    ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ

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家計の金融資産、81兆円も減る
2008-12-19-Fri  CATEGORY: 政治・経済
日銀の集計によると、家計が保有する9月末の金融資産残高は1467兆円だった。1年前の保有残高と比べると、80兆9000億円も減少している。減少率は5.2%にのぼり、日銀が統計をとり始めた79年以来で最大となった。その原因の6割近くが、株価の下落による株式や投資信託の評価損だった。

株式の評価額は67兆4000億円、1年前より32兆4000億円減った。また投資信託は58兆8000億円で、これも13兆9000億円減っている。その半面、家計は現金・預金を前年より8兆7000億円ふやし、保有額は778兆7000億円となった。このうち定期預金は450兆円、前年より6兆9000億円ふえている。

家計の金融資産残高は、05年12月に初めて1500兆円に達した。その後も増え続けて、07年6月には1571兆円でピーク。そこからは減少傾向に入っている。このピーク時の日経平均は1万8000円を超えていた。それが昨年9月末の株価は1万6786円、ことしの9月末は1万1260円となっている。こうした数字からみても、家計の金融資産は株価に左右される度合いの大きいことが判る。

9月中旬に発生したリーマン・ブラザーズ破綻の影響を受けて、株価はさらに値下がりした。いま日経平均は8600円前後。したがって家計の金融資産は、いっそう減少しているものと思われる。その影響は、個人による消費支出の減退となって現われるだろう。この点からも、株価の一日も早い底入れ確認が期待される。

    ≪18日の日経平均 = 上げ +54.71円≫

    ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 団塊世代の解析 ⑧
2008-12-20-Sat  CATEGORY: 政治・経済
8)その消費 = 団塊世代が定年を迎えると、ぐんと消費が盛り上がる--数年前から関連業界の間では、こんな期待がふくらんでいた。なにしろ、この世代は現役時代を通して家電、自動車、住宅の大消費者だった。しかも3年間で50兆円に近い退職金を受け取る。時間とカネに恵まれた300万人の新生活設計に、注目が集まったのは当然だった。

たとえば07年1月に、シニアコミュニケーション社が実施した調査。これによると、団塊世代の退職金は平均2126万円。その平均的な消費支出はリフォームなど住宅関連に265万円、また旅行や自動車の購入など大型の支出に486万円を予定しているという結果が出ている。具体的には、自宅や別荘の新築、高級車の購入、世界遺産をめぐる旅行などの回答が多かった。

一方、06年2月に電通が発表したレポートによると、団塊世代の退職による消費押し上げ規模は、直接的な効果だけで7兆8000億円。波及効果まで含めると、15兆3000億円にのぼると計算されていた。特に住宅・不動産関連は4兆1000億円、国内・海外旅行は1兆1000億円とはじき出されている。

ところが昨年夏以降の金融危機・世界不況の進行で、団塊世代の消費意欲は少々減殺されてしまったようだ。日経産業地域研究所が10月に実施した調査によると、国内旅行をした人は全体の35%、海外旅行は13%だった。また乗用車の購入は11%、大型テレビを買った人は13%と、まずまずの成績?。だが衣料品や外食については、節約の傾向が目立ったという。

                                (続きは来週サタデー)

    ≪19日の日経平均 = 下げ -78.71円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2008-12-21-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第12章 景気って、なんだろう? ⑫

日本のGDPは、世界で第2位だと説明しました。これは以前に景気のいい時代が続いて、GDPがどんどん大きくなったからです。そこで今回は戦後の日本がどのような経済成長を成し遂げてきたのか。言いかえると、過去の景気はどんなふうだったのかを、ざっと勉強してみましょう。

戦争で大きな被害を受けたために、戦後の日本経済はモノ不足とインフレに悩まされました。それでも終戦から10年たった1955年ごろからは経済が復興し、その後は高度成長期と呼ばれる好景気時代を迎えます。たとえば59年から73年までの15年間に、GDPは4.4倍にも増大しました。ピークの61年には、成長率が14.5%にも達しています。

ところが73年の石油ショックをきっかけに、成長率はしだいに低くなって行きます。93年から2007年までの15年間では、GDPはわずかに25%しか増えていません。現在も低成長が続いており、07年の成長率は1.3%でした。一国の経済が大きくなり、人びとの暮らしが豊かになると、成長率はしだいに下がる傾向があるのです。

長期的に成長率が変化するほかに、景気は短い期間の変動も繰り返します。その原因はいろいろですが、ふつうは好景気が続くと会社がモノを作りすぎてしまい、そのため生産を減らすことから景気が下降してしまう場合が多いようです。その結果、こんどはモノが足りなくなると生産が増やされて景気は上昇します。このような短期間の景気の変動を、景気循環(じゅんかん)と呼んでいます。

                                  (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2008-12-22-Mon  CATEGORY: 政治・経済
今週23日は天皇誕生日で、東京市場はお休み。だがアメリカでは住宅関連を中心に、重要な指標が発表される。11月の新築住宅と中古住宅の販売件数。10月の住宅価格指数、それに7-9月期のGDP(国内総生産)改定値。さらには12月のミシガン大学・消費者信頼感指数など。

欧米は24日からクリスマス休暇入り。ニューヨークは24日の午後と25日は休み。ヨーロッパやアジア市場も休場するところが多い。その間に、国内では経済指標が続々と発表になる。まず24日には11月の貿易統計と法人企業景気予測調査。25日は11月の住宅着工件数、建設工事受注、企業向けサービス価格。26日には、11月の労働力調査、消費者物価、鉱工業生産、商業販売統計。

アメリカでは、やはり住宅不況に底が見えるかどうか。日本では輸出と生産、それに失業がらみの数字に注目が集まるだろう。もちろん期待できるような数字は望み薄だが、悪いなかでも多少とも下げ止まり的な傾向が読み取れるかどうか。

円相場は先週、なんとか持ちこたえた。アメリカがゼロ金利に踏み切ったことから、一時は87円台にまで上昇したが、その後は88-89円台に戻している。アメリカでは週末、GMとクライスラーに対する政府の越年融資が決まったから、円相場が年内に急騰する可能性はかなり小さくなった。

    ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ

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天 皇 誕 生 日
2008-12-23-Tue  CATEGORY: 政治・経済
          Economy33 on holiday.

    ≪22日の日経平均 = 上げ +135.26円≫

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新年度予算案 : 2つの欠点 (上)
2008-12-24-Wed  CATEGORY: 政治・経済
09年度予算の財務省原案をみると、一般会計の総額は88兆5000億円で過去最大。前年度の当初予算に比べて5兆5000億円増えた。その一方、不況の影響で税収は7兆5000億円も減少する見込み。この過不足を、新規国債の発行増8兆円といわゆる埋蔵金の流用5兆5000億円で手当てした恰好になっている。

そのやりくりには苦労の跡も見受けられるが、マスコミなどの評価はあまりよくない。たとえば日経新聞は「不況脱出への戦略が見えない」と論じ、読売新聞は「埋蔵金と赤字国債が頼りとは」と嘆いている。また朝日新聞も「予算、発想変える時」と警告した。

麻生首相も陣頭指揮した新年度予算。どうも評判が悪いのは、2つの大きな欠点があるからだ。その第一は、景気対策の概念が全く曖昧なこと。不況時の財政政策は「不況によって生じた被害の救済」と「景気回復のための刺激策」の両方が必要である。ところが新年度予算案では、それが混同されてしまった。

その最初の萌芽は、定額減税をめぐるドタバタ劇に見受けられた。不況によって生活が苦しくなった人たちへの救済措置なのか、景気を回復させるための減税なのか。はっきりしないままに決定したから「金持ちは辞退すべきだ」という議論にまで発展してしまった。新予算案は支出が大きい割に「景気刺激策」に乏しい。これが最大の欠点であり、国民を不安にしている。

                                 (続きは明日)

    ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ

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新年度予算案 : 2つの欠点 (下)
2008-12-25-Thu  CATEGORY: 政治・経済
景気対策として大型予算を組んだと言いながら、肝心の「景気刺激策」がほとんど盛り込まれていない。アメリカのオバマ次期大統領は「2年間で300万人の雇用を創出する」と公約しているが、日本の予算案には、このような将来を見据えた政策が脱落してしまっている。

その1つの原因は、麻生首相が11年までに財政の基礎的な均衡を図るという中期目標の一時停止をためらったことにある。目標達成を2-3年延期して、景気回復に全力を挙げると決意すればよかったのに、財政再建路線を放棄したという批判を恐れて踏み切れなかった。このため財政再建論者でも批判しにくい雇用や中小企業対策、それに住宅減税を並べるだけの予算編成になってしまった。

そうは言っても財源がないという弁解も、聞こえてきそうだ。だが、そこで新予算案の2つ目の欠点が浮かび上がる。それは省庁の縦割り問題。いちばんの例は、このブログでも取り上げた地上デジタル普及のための予算。総務省はデジタル受信機を普及するための予算を600億円も要求して、認められた。

放送電波のアナログ停止を2-3年延ばせば、こんな予算は要らない。だいいち浮いたアナログ波を何に使うのか、総務省は明示していない。いま、この非常時に600億円あれば、いろいろな対策を実施できる。こんな各省庁の既得権益みたいな予算が、ほかにもたくさんある。この欠点が直らないと、国民は「一度は民主党にやらせてみるか」という気分を強めるだろう。

    ≪24日の日経平均 = 下げ -206.68円≫

    ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ

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底なしの アメリカ住宅不況
2008-12-26-Fri  CATEGORY: 政治・経済
アメリカの住宅不況は深刻で、まだ底入れの兆しが見えない。商務省の発表によると、11月の新築一戸建て住宅の販売件数は、前年同月比で35.3%の大幅な減少となった。また不動産協会の集計によると、中古住宅の販売件数も11月は前年比10.6%の減少。在庫件数はともに11か月分を超えている。

住宅販売の不振は、景気後退と金融危機の両面に原因がある。不況で個人の所得が減り、購入できる人の数が減った。そのうえ金融機関にも、ローンを貸し出す余裕がなくなってしまった。その半面、住宅価格の低下で所有者にとっては担保価値が減少。これが個人消費の減退につながっている。さらに金融機関の不良債権を増大させる方向にも働く。

こうした悪循環を断ち切るためには、住宅価格の下げ止まりが必要。だが連邦住宅金融庁の発表によると、10月の価格指数は前年比7.5%の下落で、下げ止まる気配は見えない。このほか11月の新築住宅の着工件数は前年比47.0%減少。9月末のローン延滞率は6.99%で最悪。差し押さえ手続きに入ったローン比率も2.97%と、悪い数字にはこと欠かない。

とにかく今回のアメリカ発の金融危機・世界同時不況は、アメリカの住宅バブルが崩壊したことから始まった。ここが底入れしない限り、余震は収まらないだろう。オバマ次期大統領は、公的資金による差し押さえの防止や、低金利ローンへの借り換え促進などの対策を用意していると伝えられる。いまはその効果に期待するしかない。

    ≪25日の日経平均 = 上げ +82.40円≫

    ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 団塊世代の解析 ⑨
2008-12-27-Sat  CATEGORY: 政治・経済
9)その貯蓄 = 団塊世代は退職金の約半分を預貯金や資産運用に回し、2割程度をローンなど債務の返済に充てる――各種の調査からは、こんな資金計画が浮かび上がってくる。したがって貯蓄性向は、かなり高い。その背景には「老後の経済的な不安」があるようだ。

シニアコミュニケーション社の調査によると、受け取った退職金を預貯金にする割合の平均は31.8%だった。また国債や金融債の購入は2.7%、株式・投資信託が10.1%、保険が6.5%。これらの合計は51.2%となっている。一方、住宅ローンをはじめとする債務の返済には、退職金の14%を充てる計画。

電通の調査によると、団塊世代の77%が退職金は一時的に金融機関に預け入れると回答している。そこでゆっくり使い道を考えたいと思っていたのだろう。ところが、そこで金融危機・世界不況が発生してしまった。したがって退職金の大半を、まだ金融機関に預けっ放しという人も少なくはないはずだ。

団塊世代は、いくらぐらい貯蓄しているのだろう。ネットリサーチ社が07年3月に行なった調査では、300万円未満と答えた人が全体の17.7%、3000万円以上が33.9%だった。総務省の家計調査によると、世帯主が50歳代のサラリーマン世帯の貯蓄残高は、06年現在で平均1609万円。60歳代の平均は2216万円。ここから推定すると、2000万円前後ではないかと考えられる。

                               (続きは再来週サタデー)

    ≪26日の日経平均 = 上げ +140.02円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2008-12-28-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第12章 景気って、なんだろう? ⑬

景気が悪くなったとき、政府や日本銀行は景気を回復させるために、いろいろな政策を実行します。これを景気対策と言いますが、それにはどんなものがあるのでしょうか。まず政府の景気対策は、大きく2つに分けられます。1つは政府自身が、おカネをたくさん支出する方法。もう1つは個人や会社に対する減税です。

景気が悪くなるのは、個人と会社、外国人と政府がおカネの使い方を減らすからでしたね。ところが景気の悪いときに、個人や会社や外国人にもっとおカネを使いなさいと言っても、なかなかムリな話です。そこで政府が予算で決めた以上に、たくさんおカネを使う。あるいは減税で、個人や会社の収入を増やして、おカネを使ってもらう。これを財政による景気対策と言います。

日銀の政策は、金融による景気対策。これも大きく分けると2つあります。1つは金利の引き下げ。金利が下がると、個人や会社は銀行からおカネを借りやすくなり、モノを買ったり工場を建てたりしやすくなります。もう1つは、おカネをたくさん発行することで、これも個人や会社におカネを借りやすくします。

ところが、いま日銀は金利を年0.1%にまで引き下げているので、もうあまり下げられません。一方、政府も財政が大赤字。景気対策を実行すれば、財政の赤字はもっとふくらんでしまいます。それでも最近は世界的な大不況になってきたので、対策をとらないわけにはいきません。そんな状況を、新聞は毎日のように伝えています。みなさんも勉強してください。

                                (景気って は終わり)

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今週のポイント
2008-12-29-Mon  CATEGORY: 政治・経済
大波乱の2008年が暮れて、新しい2009年が始まる。まだ明るい光が射し込んできたわけではないが、世界経済の秩序回復に向けた動きは必ず現われるだろう。特に1月20日には、アメリカの新大統領に民主党のオバマ氏が就任する。その政策への期待から、アメリカ国内の経済に対するムードにも変化が生じるにちがいない。

30日は大納会。暦の関係で1月5日の大発会まで、長い休場が続く。ドイツやイタリア、韓国などの市場も31日からは休場するところが多い。この間、国際情勢ではイスラエルとハマスの紛争が気がかりだが、突発的な大規模テロでも起らないかぎり大発会は比較的に平穏な空気のなかで迎えられそうだ。

先週、ダウ平均は64ドルの下げ。低調に終わったクリスマス商戦が影響した。日経平均は151円の上げ。円高の一服で安心感が高まり、1か月半ぶりの高値引きになった。両市場とも休日をはさんだ4日間の営業だったが、1日の値動きがきわめて小さくなったことが特徴的。

アメリカでは30日に、10月の住宅価格指数と12月の消費者信頼感指数。1月2日には、12月の製造業景況感指数が発表になる。これらの結果はすでに織り込み済みで、ダウ平均や円相場に大きな影響を与えることはないだろう。ただ1日からOPEC(石油輸出国機構)が日量220万バレルの減産を始めることには、やや注意が必要かもしれない。

    ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ

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最大の事件は、やはり リーマン破綻
2008-12-30-Tue  CATEGORY: 政治・経済
新聞やテレビが「08年の10大ニュース」を特集しているが、経済問題に限ってみれば、ことし最大の事件はやはり リーマン・ブラザーズの破綻にちがいない。全米第4位の証券会社。日本を含む世界30か国で事業展開。グループ従業員2万9000人。負債総額6130億ドル(当時の円換算で63兆9500億円)は、史上最大の倒産だった。

だが、それだけでは08年の最大のニュースにはなりえない。リーマン・ブラザーズの行き詰まりは数か月前から判っていたが、アメリカ政府は傍観。結局、9月15日に“倒産させて”しまった。このため昨年夏以来の金融不安が一挙に拡大し、完全な金融危機へと発展してしまった。ブッシュ政権によるこの明らかな失政が、世界不況をより深刻化させ、この事件をトップ・ニュースに押し上げたと言えるだろう。

第2位には、世界的な自動車の売れ行き急降下を挙げておきたい。GM、クライスラーなどのビッグ・スリーは、原油高騰によって消費者が大型車を敬遠したのに加えて、深刻な不況の影響を受けて経営不振に陥った。リーマン事件で懲りたブッシュ政権が公的資金によるつなぎ融資に踏み切ったため、年内の倒産は免れたという状態。一方、世界最強だったはずのトヨタも売れ行きが急減。今年度は1500億円の営業赤字に転落する見通しである。

アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)は12月16日、政策金利を年0-0.25%に引き下げた。これもリーマン事件でいっそう悪化した景気への対応策。アメリカ史上初めてのゼロ金利を決断したことは、評価されていい。これが第3位だろう。こうしたなかで、日本政府がいまだに景気対策らしいものを実施していないことも驚きだ。10位までには入るにちがいない。

    ≪29日の日経平均 = 上げ +7.65円≫

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