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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
今週のポイント
2023-12-11-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円高と政局不安で大幅安の日経平均 = ダウ平均は先週2ドルの小幅な値上がり。前半は下げたが、後半は上げて‟行って来い”の形となった。それでも終り値はことしの最高値を更新している。市場はこれまでFRBの利上げが遠のくという理由で、景気の減速を歓迎してきた。ところが景気の下降で企業の業績が悪化する心配も、しだいに強まってきている。先週の株価は、そのせめぎ合いなのかもしれない。

日経平均は先週1124円の大幅な値下がり。終り値は3万2300円にまで低下した。水曜日には大きく反発したものの、あとは大きく値を下げている。円高の進行が最大の要因。それに米中両国の景気減速、自民党のパー券不正処理問題による政局不安が重なった。内需株を買う動きもみられたが、大勢は売りムード。特に海外投資家は、政局を重視しているようだ。

FRBは12-13日に政策決定会合を開く。金利を据え置くことは、ほぼ確実。そのあとは景気の動向、いわゆる‟軟着陸”の可能性に注目が集まるだろう。一方、東京市場を取り巻く環境は変化しそうにない。円高はどこまで進むのか。また政局不安は、一大事にまで発展するのか。いずれにしても、秋晴れとはなりそうにない。

今週は11日に、10-12月期の法人企業景気予測調査。12日に、11月の企業物価。13日に、12月の日銀短観。14日に、10月の機械受注。15日に、10月の第3次産業活動指数。アメリカでは12日に、11月の消費者物価。13日に、11月の生産者物価。14日に、11月の小売り売上高。15日に、11月の工業生産。また中国が15日に、11月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。なお13日に、パウエルFRB議長が会見。

        ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ

  
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≪番外編 +3≫
2023-12-08-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ マネー経済圏の急膨張がすべて 

・病室の天井を見つめながら、こう考えた。最近の世界経済で、最も大きな変化を遂げた事象は何だっただろうか。戦争の勃発が招いた物価の高騰、ゼロ金利から金融引き締めへ、AI(人工知能)の発展、米中の経済摩擦、宇宙開発競争・・・。いろいろあるが、極め付きは「マネー経済圏の急膨張」だったのではないか。

・モノやサービスを産み出すことで形成される実体経済。その裏には必ず金融経済が存在していた。だが、その大きさは実体経済の大きさに見合った規模。それが各国中央銀行の量的金融緩和で、爆発的に膨張した。FRBは最大9兆ドル、ECBは9兆ユーロ、そして日銀も750兆円の資金を市場に放出した。

・実体経済はそんなに大量の資金を必要としなかったから、放出された資金は市場に溜まる。それが株価や商品に向かって、値を上げた。そんなとき戦争が起こってインフレが加速。欧米の中央銀行は慌てて金融引き締めに転換するが、まだ資金の吸収が十分でないから、インフレは収まらない。政策転換のチャンスを逸した日本は、いま何とか転換しようと苦慮しているところだ。

        ≪8日の日経平均 = 下げ -550.45円≫

        【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   
   

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‟利下げ”は来年3月? / アメリカ
2023-12-06-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 追い詰められる日銀 = ニューヨーク株式市場の空気が一変した。つい最近までは「年内にもう1回、最後の利上げ」という予想が圧倒的だったが、先週はこれが一挙に「来年3月には利下げ」へと変わった。このため金利は急低下、株価は急上昇。ダウ平均は年内にも、史上最高値を更新する勢いをみせている。きっかけはウォラーFRB理事の‟利下げの可能性”を示唆した発言。この人が引き締めを主張するタカ派であるだけに、そのインパクトは非常に大きかった。

インフレ収束の兆しが最初に現われたのは、先月14日に発表された10月の消費者物価。前年比3.2%の上昇で、前月より0.5ポイントも鈍化した。また小売り売上高や雇用統計など、景気の鎮静を示す数字が続出している。さらにFRBが発表したベージュブック(地区連銀経済報告)でも「全米の経済活動は10月以降、鈍化した」と明記した。こうしたところへ、ウォラー発言が飛び出したわけである。

投資家を対象にした最近の世論調査によると、「来年3月までに利下げがある」と考える人の割合は35%にのぼった。FRBの政策決定会合であるFOMC(公開市場委員会)は、来年1月と3月に開かれる。すると、やっぱり「3月の利下げ」が有力なのではないか。市場では、いま「12月と1月は据え置き、3月に利下げ」の見方が急速に拡散している。

政策金利の引下げが見込まれると、市場では債券が買われ各種の金利が下がる。このため日米の金利差が縮小、円の対ドル相場が急騰した。いま日銀はゼロ金利政策を終了させるための環境づくりに、専念している。しかし円高がさらに進行すると、ゼロ金利の終了は困難になるだろう。金利を上げれば円高が加速し、その副作用が大きくなってしまうからだ。そうかと言って何もしなければ、ゼロ金利から脱出できず、日銀は内外から批判を受けることになりかねない。

        ≪6日の日経平均 = 上げ +670.08円≫

        ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ

   
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今週のポイント
2023-12-04-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 先週は「NY上げても、東京は下げ」でした = ダウ平均は先週855ドルの値上がり。終り値は3万6246ドルで、ことしの最高値を更新した。3万6000ドル台を回復したのは、1年11か月ぶりのこと。11月中は2898ドルの上昇だったが、市場では強気ムードがなお支配的。年末にかけて史上最高値の更新を目指す勢いだ。

日経平均は先週194円の値下がり。終り値は3万3500円を割り込んだ。一貫して高値警戒感が強く、たとえばダウが500ドル上昇したあとも値を下げている。11月は2628円の上昇だったが、その勢いは一気にしぼんだ。原因は円相場の急激な上昇。輸出関連銘柄を筆頭に、利益確定の売りがだらだらと続いた。

先週のこの欄では「NY下げても、東京は上げ」と書いた。ところが結果は全く逆。その原因はFRBのウォラー理事が「インフレ率の低下を確信できれば、金利を引き下げられる」と述べたこと。これでニューヨーク市場の株価は高騰、長期金利は大きく下落した。その結果、円の対ドル相場が急騰。相場は146円台にまで上昇した。もちろんウォラー発言を予想することは不可能だったが、結果的に間違ったことは確か。改めてお詫びをする次第です。

今週は5日に、11月の東京都区部・消費者物価。7日に、10月の景気動向指数。8日に、7-9月期のGDP改定値、10月の毎月勤労統計、家計調査、11月の景気ウオッチャー調査。アメリカでは5日に、11月のISM非製造業景況指数。6日に、10月の貿易統計。8日に、11月の雇用統計、12月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が7日に、11月の貿易統計。9日に、11月の消費者物価と生産者物価を発表する。

        ≪4日の日経平均 = 下げ -200.24円≫

        ≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ


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≪番外編 +2≫
2023-12-01-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 説得力に乏しい‟好循環”の実現性

・病室の天井を見つめながら、こう考えた。岸田内閣の支持率は危険水域にまで低下したが、どうしてだろう。物価高対策として補助金の大判振る舞い、加えて減税まで実施する。だが先行きには防衛費の増額や少子化対策が控えていて、増税が必要らしい。一般の国民には、この減税と増税の関係がよく理解できない。岸田首相の説明に、説得力がないからである。

・いま国民が最も心配しているのは、将来の生活である。年金はきちんと貰えるのだろうか。医療や介護などは十分に機能しているのだろうか。若者も高齢者も、みんなが心配している。だから貯蓄ばかりが増えるし、子どもが産まれない。それなのに岸田内閣は補助金など、現状に膏薬を貼るばかり。選挙対策だと勘ぐられても、仕方がない。

将来について、岸田首相は「賃上げが物価を上回り、経済の好循環が始まる」の一点張り。しかし29日に成立した補正予算をみても、現金給付などの膏薬貼りには2兆7000億円を支出するのに、持続的な賃上げの実現には1兆3000億円しか投じない。これで‟好循環”が起きるのだろうか。その説得力が、あまりにも希薄すぎる。だから国民から信用されない。

        ≪1日の日経平均 = 下げ -55.38円≫

        【今週の日経平均予想 = 1勝4敗】  


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個人消費に 黄信号 / アメリカ
2023-11-29-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 引き締め効果が表われてきた = アメリカでは先週24日から、恒例の年末商戦が始まった。しかし、すべり出しはやや低調。昨年ほどの活気はない。全米小売業協会は「年末商戦の売上高は前年比3-4%の増加」と予測しているが、これだと物価高を勘案すれば「ほぼ横ばい」ということになる。旅行やレジャーなどへの予約も低調。ガソリンも買い控えの傾向が強く、需要期なのに価格が上がらない。

理由はいろいろ。コロナ対策としての各種補助金が、すべて打ち切られた。コロナ禍で蓄積されていた、いわゆるリベンジ需要が一巡した。なかでも物価高で、家計の過剰な支出が続いたことが大きい。たとえばニューヨーク連銀の調査によると、7-9月のクレジット・カード債務残高は1兆0790億ドルで過去最大。前年比では17%もの増加となった。延滞率も12年ぶりの高さとなっている。

消費の鈍化傾向は、ほかにも表れている。主要500社の7-9月期の決算は純利益が4%の増加で順調だったが、10-12月期の予想については6割の企業が悪化すると予想。業種別でみると、全11業種中7業種の予想が切り下げられた。また主要小売業の8-10月期決算では、売上高を減少させた企業が目立っている。

株式市場はこれまで「景気が悪いとFRBの金融引き締めが遠のく」と考えて、むしろ悪化を示す指標を歓迎してきた。しかし企業の業績悪化は、直ちに株価の低下につながってしまう。その意味で株式市場にとって、年末商戦の不調は新たな対応を迫られる問題となっている。別の見方をすると、金融引き締め政策がやっと実体経済面で効果を発揮し始めたのかもしれない。

        ≪29日の日経平均 = 下げ -87.17円≫

        ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ

  
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今週のポイント
2023-11-27-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ NYは下げても、東京は上げる? = ダウ平均は先週443ドルの値上がり。4週間の続伸で、終り値は3万5390ドル。3か月ぶりに3万5000ドル台を回復した。10月の消費者物価と小売り売上高が、ともに予想を下回る伸び率だったことが原因。これで「年内の利上げはなくなった」という見方が大勢を占め、さらに「利上げはもう終了、次は利下げ」の観測も広まった。長期金利も下落している。

日経平均は先週41円の小幅な値上がり。ニューヨーク市場の活況を受けて、一時はバブル崩壊後の最高値を上回ったが、利益確定売りに押されて反落した。7-9月期の実質GDP成長率は年率2.1%のマイナスに落ち込んだが、10月の訪日外国人客数はコロナ前を初めて上回った。株価が足踏みした割に、市場の空気は明るい。

小売り高が伸び悩んで、FRBの利上げが消えることはいい。だが個人消費が減退して、企業の利益が減ることは困る。ニューヨーク市場は、いまこのジレンマに直面し始めた。したがって、株価の足取りは重くなりそう。その一方、東京市場は改めて出遅れ株への関心が高まりそうだ。このため今週は「ニューヨークが雨でも、東京は晴れ」のパターンになる公算が大きいかも。

今週は27日に、10月の企業向けサービス価格。30日に、10月の鉱工業生産、商業動態統計、11月の消費動向調査。1日に、10月の労働力調査、7-9月期の法人企業統計、11月の新車販売台数。アメリカでは27日に、10月の新築住宅販売。28日に、9月のFHFA住宅価格指数、11月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。29日に、7-9月期のGDP改定値。1日に、11月のISM製造業景況指数。また中国が30日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。

        ≪27日の日経平均 = 下げ -177.86円≫  

        ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ


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≪番外編 +1≫
2023-11-23-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 人類が直面している最大の問題は? 

・病室の天井を眺めながら、こう考えた。いま人類はたくさんの問題を抱え込んでいるが、最も重要な案件は何だろう。戦争、覇権争い、感染症の世界的流行、人口問題、食料不足、資源・エネルギーの高騰、インフレ、貧富の格差、AI技術の管理・・・。数え上げればキリがない。

・だが、これらの問題は改善される可能性もなくはない。戦争は10年も続かないだろう。技術の進歩で、感染症や食料不足は克服できるかもしれない。しかし現状からみる限り、改善の見込みが全くないのは地球の温暖化ではないか。多くの人がその危険性を理解してはいる。しかし対応策は遅々として進まない。

・10年後、30年後、50年後の地球はどうなるのだろうか。人類は生き残れるのだろうか。こんな心配が膨れ上がっているのに、戦争をしている地球人。もちろん科学的な根拠はないが、外部情報を遮断された病人の感覚では「地球の温暖化」が文句なく最大の問題となった。

・入院中の新聞を整理していたら、「11月17-18日に、世界の平均気温が産業革命前に比べて初めて2度以上も高くなった」という記事が、紙面の片隅に載っていた。



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